
10日28日は第17回山口県ワインブラインドテイスティング大会。2024年は2回しか開催せず、申し訳ございません。
会場は北九州市小倉北区のエタンセールカワモト。
今回の運営担当は、私寺井。選手6名、観客14名、合計20名の会になりました。
今回のワイン
産地 | 品種 | Vintage | Alc | 価格(税込) | 想定点 | |
1 | チリ>サウス>イタタ・ヴァレー | リースリング | 2018 | 14.0% | 1,870 | 3 |
2 | 西>ガリシア>リアス・バイシャス | アルバリーニョ | 2023 | 12.5% | 3,850 | 0 |
3 | 伊>トスカーナ | サンジョヴェーゼ | 2019 | 14.0% | 5,280 | 5 |
4 | 仏>ボルドー>ソーテルヌ | Se、SB、ミュスカデル | 1995 | 14.0% | 9,900 | 7 |
5 | 仏>コート・デュ・ローヌ>北部 | シラー | 2013 | 13.5% | 18,040 | 7 |
※採点では税別価格をお伝えしていますが、こちらの表は購入の参考になるよう税込み価格を表記しています。
予選2位は小川ソムリエ。過去、優勝をポンポンッとして以来、優勝から遠のいているので今回が楽しみでしたが・・・
優勝は予選1位の宗像のFRANCEYA の船越シェフ。優勝賞品のヴーヴレ・ドゥミ・セックを進呈。
寺井の出題意図とテイステイスティングコメント
1.プール・マ・ギュール リースリング2018 造り手:クロ・デ・フ
ぶどう品種で点数を取ってもらうための出題。
柑橘や青りんごのニュアンスに、ライチ、白い果肉、オイル、白檀、ローリエ。グラスを回すと、石油、タール、石灰。この香りでリースリングとは分かるはず。しかし、食感は厚みがあり、フルーツ風味が強くないがぶどうの熟度が感じられ、しっかりした酸は力強くやや鋭い質ながら、果実味の厚みとアーモンドのような香ばしさのおかげで鋭く感じない、ミネラルによるガチっとした骨格もあり、余韻にボリューム感もある、リッチながら酸も強い。アルザスとしたら特級畑クラスのボリュームでミネラルもあるものの、格の高さをそこまで感じないので、迷う。アルザスにしては果実味にトロピカルさもある・・・と産地に迷うだろうなという狙い。(予想3点)
2.バルミニョール アルバリーニョ2023 造り手:アデガス・バルミニョール
最近、寺井の出題は超主要ぶどう品種が多かったので、ソムリエなら考慮に入れるレベルまで広げた出題。SBとアルバリーニョは間違える要素があり、ミネラル感からサンセールやプイィ・フュメと間違えると予想。寺井の2022年Vintage試飲を前提とした選出。
溌剌としつつも熟度ある爽やか系果実(青りんご、レモン)の香りに、グラスを回すと、ヨード、石灰、磯っぽさ、潮風、ミネラル強い香り。SBに似つつ、「磯っぽさ、潮風」からアルバリーニョが候補に。もしくはSBのプイィ・フュメとかミネラルたっぷりの高級産地。潮はプロバンスのガリーグも考慮するも、その割には軽やかな爽やかさが強いので除外。難しいのはヨードの感じがタールにも似ていてRiも検討対象に入りそうなこと。やや厚めの食感、果実の完熟感を感じるがフルーツ風味は強くなく、アーモンドのようなビター成分あるミネラリーな骨格主体、酸は優しく、白い花のような華やかさありバランス良く上質。アルザスRiやプイィ・フュメにしてはビターさが強く、もう少し日照量がありそうなイメージ→アルバリーニョ・・・と答えられたら理想的だが、自分でも正解できないだろうなと思う問題(笑)。(予想0点)
3.ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ2019 造り手:アジェンダ・カサーレ・ダヴィッディ
大樽熟成由来と思われる乾いたタンニンから、イタリアは当たりそう。タンニンからネッビオーロを予想する人もいるかもだが、その割には色も濃いし褐色っぽさも少ないし、タンニンの質もピエモンテにしては乾いた感じが足りない(ピエモンテにしてはしっとり)、果実味も黒いニュアンス→トスカーナSG。重さからはアリアニコに検討対象だが、そこまで南の陽気な感じはない。本来もっと熟成させるべきワインで、少し前まで2014年が最新Vintageで素晴らしいバランスだったのに、5年も若返ってしまってショックなワイン。開会前に少しだけ試飲したが、同じ金額なのが納得いかないくらい状態が違う、申し訳ないです。(予想7点か2点)
(2019年は未試飲。2014年の試飲コメントを掲載)
適度に透明感ある朱色がかったダークチェリーレッド。香りは、乾燥カシス、ジビエ、なめし皮、コーヒー。グラスを回すと、トリュフ、薪、木炭、エスプレッソ。口に含むと、さらりとしつつ力強い食感。果実味はやや乾いた状態ながらまだまだ元気で、乾いたタンニンは力強く収斂性残りつつも適度にこなれていて心地よい。酸も強め、香り程ではないがなめし皮やコーヒーニュアンスがあり非常に複雑で飲み頃、10年熟成ながらまだまだ活き活き!
4.シャルトリューズ・ド・クーテ1995 造り手:シャトー・クーテ
寺井は、貴腐ワインのファン。輸入元から貴腐の発注比率が凄いですねと言われたことがあるくらい。(今時、甘口を扱う店は少ない)。貴腐は素晴らしいと知っているソムリエは多いものの、赤の1万円は買うけど、貴腐の1万円はなかなか買わない、さらに特に熟成貴腐の素晴らしさを知っているソムリエは本当に一握り・・・なので飲んでもらおうという意図。
ソーテルヌ格付け1級のシャトー・クーテのセカンド。
貴腐香を感じられれば難しくない問題。上級者は色が濃いので、トカイ・エッセンシアやトロッケン・ベーレンアウスレーゼのように貴腐100%のようなワインも検討対象になる。酸やや強いもののトカイやドイツに比べると穏やかなので、ソーテルヌ熟成。(予想7点)
5.エルミタージュ ガンベル・ド・ロッシュ2013 造り手:カーブ・ド・タン
カーブ・ド・タンは、世界的ワイン評論家が、『フランスで最も優れた協同組合の一つで、北ローヌで非常に驚くべき品質のワインを生産する』と評する生産者。エルミタージュの畑も所有しているが、エルミタージュのうち、その年の良い区画のものだけを使ったエルミタージュがこのガンベル・ド・ロッシェ。
近年のワイン高騰から、ソムリエは若いクローズ・ド・エルミタージュ(Cと略)が、ローヌの良いシラーとしてなんとか自己投資できる範囲になってしまったが、こういう機会にエルミタージュも飲んでほしいなという狙い。
若いCは、スミレ感がしっかり感じられ、フルーツフレーバーよりも花感が強い、果実は黒とも赤ともいえず、中間→私はダークチェリーと表現。シラー=黒胡椒と言われるが、それを感じるよりスミレのほうが伝わりやすいと思っている(両方に共通するロタンドンという成分がある)。
それを踏まえたうえで、エルミタージュは、より黒いニュアンス→スミレが感じにくくなる。その分、黒胡椒というかスパイスMix感が増す。Cとの共通要素として、フルーツフレーバーが優しい。ボルドーやブルゴーニュよりも、具体的な果実名を言いにくい、つまり・・・果実を花やスパイスが覆っている状態。もちろん、黒とも赤ともいえない果実感も理由の1つで、やっぱりダークチェリー。今回は11年熟成なので、スパイス感も多く、熟成によりピノのようなエレガントさも増し、なかなか当たらない問題。ただ、バランスからフランスは答えられそう、あとはボルドー、ブルゴーニュ、ローヌのどれを選ぶか(7点or2点)
いつも嬉しい観客の声
この会には過去、「シャルドネとカベルネ・ソーヴィニョンなら、なんとなく聞いたことがある」というくらいの方でも観客で来てくださっていました。
今回も、「私なんかでも行ってみても良いのですか?」と言ってお越しくださった方がお2人。
そんな方々は、100%の確立で「すっごく楽しかった」と言ってくれます。以前も、今回もこんな感想をいただきました。
私たちも嬉しくなりますし、もっとレベルアップしたくなるお声、ありがとうございます!
「私には場違い」と思って参加を見送った方がいれば、ぜひ次回の参加をお待ちしております。めっちゃ良いワイン飲めますしね♪(あと、多くの方は1人での申し込みなので、おひとり様大歓迎です。会場で隣の方と親しくなる感じです)
今後の山口県ワインブラインドテイスティング大会
年4回本業と別にこの運営をするのは結構しんどい(^^ゞ
でも、各自ノーギャラで運営を頑張っています。
それには、立ち上げ当時の次のような想いがあります。
- 山口県のワイン文化を発展させて、輸入元さんの試飲会があるような土地にしよう!
- 山口県から協会のブラインドコンクール優勝者を出そう!
それが皆様に伝わっているのか分かりませんが、毎回「やって本当に良かった!」と思えるのが
観客参加の皆様がとっても楽しいと大絶賛してくださること^^
「とっても楽しかった!」以外にも、「是非次回も誘ってください」「次はいつですか?」「年に1回しかしませんか?」などなど、嬉しいお言葉ばかりです。
第17回の開催日が決まりました
【日時】2025年1月/27日(月)18:30-21:00予定
【場所】下関グランドホテル
【会費】5,000円(税込)
【申込方法】
運営関係者へお問い合わせのほか、FBのイベントページ↓
https://www.facebook.com/events/378927706132265/
からお問い合わせ、「参加予定」ボタン、いずれでも構いません。その後、こちらから選手、観客のお尋ねをいたします。
【タイムスケジュール】
18:30予選開始
19:30前後 予選終了 感想戦と懇親会
19:45前後 決勝2名によるリアルタイムコメントでのブラインドテイスティング
20:00 優勝者発表と優勝者によるテイスティングのコツ
21:00まで 懇親会(軽食アリ)
21:00 終了(残れる方で片付け)
皆さんのご参加をお待ちしております^^
開催地募集~私たちを呼んでください^^~
山口県ワインブラインドテイスティング大会運営チームでは、「自分たちの街でも開催してほしい!」という声をお待ちしております。
開催にあたり、そちらで経費負担はナシ!ただし一定人数が揃わないと寂しい会になってしまうので、集客のお手伝いをお願いします。※イベントなどにお仕事としてうかがう場合は金額要相談
集客って何人?というご不安もあるでしょうが、6-8名くらい集めてもらえたら運営は可能です。
あとは会場などを一緒に考えていきましょう!山口県のワイン文化活性化のために一緒に楽しく頑張りましょう^^
ご要望は、コメント欄に記入、もしくはプレゼントワインショップの寺井剛史へお電話、メールでも結構です。お気軽にどうぞ
プレゼントワインショップ
電話:093-234-5454
メール:
この記事を書いている人
OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ
寺井 剛史(てらい つよし)

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ