ウッドハウス閉店。昔のスタッフで集まりました!

学生時代にバイトしたレストラン「ウッドハウス」(東広島市八本松)が2025年2月で閉店しました。

私がソムリエになるきっかけの店を昨年訪れ、ブログを今年アップし、それをFBに投稿したのが2月半ば。
その投稿翌日にオーナーが亡くなったと連絡がありました。

東広島「ウッドハウス」が原点のレストラン

そして、そのままバタバタと2月いっぱいでの営業終了となるという追加の連絡が届きました。

何とかもう一度行きたいと思い、行けるとしたら、たまたま営業最終日。
ここで行くしかないと思い予約をしました。

1990年代のウッドハウスメンバーが集まる

昔一緒にアルバイトしてフランスにも2人で行った先輩(柴田さん)にも、もし良ければ一緒に行きましょうと連絡をし、集まったのは6人(とその家族)!
私と柴田さん、Uさんという前回のブログで紹介した当時のアルバイト3人に加え、私の卒業後にアルバイトとして入って柴田さんと結婚した奥様、そして当時の社員のコックさん2人。ウッドハウスで1990年代に働いていた6人です。

アルバイトだった4人は福井、高松、福岡から集まったわけですから、自分たちは本当にウッドハウスが大好きだったんだなと改めて思いました。

ウッドハウス最終日は一般営業無し
1990年代のスタッフ

しかも、柴田さんは連絡がつかなくなっていたUさんを人づたいに探してくれていました。
最後はその女性にLINEで繋がってないけど、住所を知っている人から「柴田さんに連絡してください」という手紙が届いて、やっと繋がったそうです。

25年ぶりに揃った面々ですが、つい最近まで一緒にいたかのように話が弾んだのと、私より遅れてウッドハウスに着いたUさんが、扉を開けて入ってきて言った一言目の

「あ~、昔と同じ匂い・・・」

が何故か忘れられないというか、嬉しいというか、そんな気持ちにさせてくれる一言でした。

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
スープやソースの仕込みと、暖炉、木など正に店の匂いなんです。
飲食店勤務の人なら、その店その店の匂いがあるので伝わるだろうな^^

福井県で息子さんの卒業式を終えてから、車でやってきた柴田さんが最後に到着し、少しみんな立ち話をしました。

柴田さんは、入店早々に「寺井、これ持っとる?」と、一緒にフランスに行ったとき(1999年)のサン・ヴァンサン(ワインの祭り)で、ロゴが入った袋を見せてくれました。

そして、「俺、2枚あるから、これやるわ」と言ってくれました^^

私は私で、「柴田さん、これ、分かります?」と言って、当時フランスのスーパーで買って帰った赤ワインを見せました。

「数年前、息子の高校入学のときにロゼを飲んだんですけど、この赤が最後の1本です。」

と言うと、「今日は運転で飲まない予定だったけど、飲もうかな」と言って、一緒に飲んでくれたのが嬉しかったなぁ。

コトー・デュ・リヨネ1997
日本では見かけないコトー・デュ・リヨネ

ワインはダメになっているかなと思ったら、ちゃんと良い状態!

もちろん、大学生だった私がスーパーで買った安ワインなので、偉大な熟成をしているわけじゃないですが、古酒好きの私にとっては決してピークを過ぎすぎているわけではありませんでした。ともすれば、もっと高いワインでも枯れた風味を強く感じすぎるものもある中、きれいに熟成していると言えるほどでした。

安いワインは、熟成に堪えない可能性もあると日ごろから言う私ですが、ワインは開けてみないと分からないことも多くあり、本当に不思議です。

私の隣に座ったUさんも一緒に飲んだのですが、最初は「香り豊かで、飲みやすくて、美味しい」と言っていたのですが、

「え?これ大学生の時に買ってきたワイン!?
ええー!!やっぱ、ワインって凄いねー!!」

と感動していましたし、柴田さんは「よー、もったなぁ(大丈夫だったなぁ)。えっ?学生のときセラーなかったよなぁ?」と言うほどの状態の良さ。

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
ちなみに、もちろん学生時代にセラーはなく、社会人になってからも10年以上、常温保存。温度管理したのは2014年になってからじゃなかったっけな?

柴田さんとUさんと、社員だったコックさん(Hさん)の4人でワインを飲んでいたのですが、その時のラベルを今でも私は持っていて、そのラベルアルバムを持って行って柴田さんに見せたのですが、今では飲食業ではない柴田さんが、「あー、このラベル覚えとるわぁ」とか言いながら、予想以上にしっかりと全ページをめくってくれたのも、めちゃめちゃ嬉しかったです。

柴田さんと
柴田さんとは2006年以来

柴田さんは前回のブログに書いたように、学生時代の目標を叶え、福井で恐竜関係の仕事をしているのですが、この会食の中で

柴田さん
大学生まで、サラリーマン以外の仕事を知らなくて、バイトをして大変な仕事なのに、みんな充実して仕事しているのには人生に影響を受けましたよ。多分、バイトしていなかったら今の仕事していないです。

と言ってました。

また、さっき触れたように、柴田さんの奥様は、私がバイト辞めた翌年か翌々年にウッドハウスでバイトした女性。私も、柴田さんもウッドハウスで本当に人生が変わりました。

ほかにも沢山ウッドハウスでの思い出の品と写真を持っていっていったのですが、クリスマスメニューや写真は全員が懐かしく見てくれ、12月のシフト表はUさんと柴田さんが、すっごくウケてくれて、「寺井君、めっちゃシフト入っている~(笑)」と言いながら、Uさんはシフト表を撮っていました。

他の人にとっては、ただの古い紙きれですが、これを撮ってくれるなんて、お互い気持ちは一緒だなと思いました。

当時働いていたなかで、一緒にワイン飲んでいたHさんが仕事で来られなかったのが非常に残念。

実は思い出の品で持ってきて、チーフに見てもらったものに、包丁と本があります。特に包丁は、私が辞める時にチーフからもらったもの。
今日は料理を作ってくれているチーフに、ディナー前に厨房まで持って行ってみてもらい、ディナーではみんなに見てもらいました。

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
(今日いない)Hさんには、鉄のフライパンをもらったんですよ~。
Hさん来ていたら、フライパン持ってくるか悩むところだった(笑)
チーフからもらった包丁とHさんからもらったフライパン
チーフからもらった包丁とHさんからもらったフライパン。今でも使っています
ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
Aさん(現在独立してケーキ屋さん)にはデザートのレシピ下さいって言ったんだけど、市販のケーキの本もらったんですよ~。
今白状すると、欲しいのとは違うんだけどなぁって思ったんですよ~。
Sさん(江田島のオイスターカフェのシェフ)は、多分、現金くれました(笑)

ってな話しをしていると、Sさんが「で、俺がやった1万円も、持ってきとん?」と(笑)。

いや、さすがにないです。というと、Sさんの奥さんは「色んなモノとっていて、出てくるから、出てくるんかと思った」と言っていました^^

そんなこんなで昔話に花が咲き、あっという間に楽しい時間が過ぎました。

最後はAさんがお店で焼いてきてくれたケーキを前に、チーフを呼んで、チーフとオーナー奥様に花束贈呈。そしてみんなで写真を撮りました。

ウッドハウスのメンバーと
ウッドで働いた6人とチーフ、オーナー奥様、コックさんの奥様、当時の魚屋さん

ウッドハウスは私たちの心の中で永遠に続きます

最後の営業を終えたウッドハウス
2025/2/28 22:26 最後の営業を終えたウッドハウス

それにしても、私は本当に強運の持ち主。たまたま昨年、息子と訪問していなかったら、知らないうちに閉店だっただろうなと思います。

店が無くなるのは寂しいですが、こんな貴重で嬉しく、人生得しているなと思える時間を過ごせたこと、そのキッカケを作ってくれた、社長とチーフ、ウッドハウスに感謝です。

そして、私もそんな店づくりができるよう、これからも励んでいこうと思います。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ