シュペートブルグンダー シルバーベルク クヴァリテーツヴァイン トロッケン

「シュペートブルグンダー シルバーベルク クヴァリテーツヴァイン トロッケン」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
ヴァイングート カール ファフマン シュペートブルグンダー(PN) 2020 ドイツ ファルツ
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
13.5 ¥2,800 稲葉 11/4/2024

「シュペートブルグンダー シルバーベルク クヴァリテーツヴァイン トロッケン」レビュー

ワインの外観

シュペートブルグンダー シルバーベルク クヴァリテーツヴァイン トロッケンの外観

透明感あるラズベリーレッド、青はほぼ抜けている

ワインの香り

グラスを回す前:ラズベリーやザクロのような繊細さに若干イチゴジャムのような濃縮感も、シナモン、バニラのようなスパイスも少し

グラスを回した後:スパイス感増し、赤い果実のシナモンコンポート、木の実、ココアパウダー

ワインの味わい

さらりとしつつ果実の厚みは感じる食感、軽やか系の果実味ながら濃縮感はある、木の実のような香ばしさ、月桂樹のような清涼感、力強いスパイス、カカオのようなコク

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
完熟感ぶどうと樽由来のコクありつつ軽やかなのが心地よい
若干ニューワールドっぽさを持つピノ。Alcのボリュームもある
季節

グラス 温度 軽重度
(10段階)
大ぶり丸 16-20℃ 5

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

「DLG TOP100 WEINERZEUGER 2020」ドイツ農業協会が選ぶトップ100生産者の29位に選出!
「ラインラント ファルツ州品評会 2020」 通算19回目となるスターツエーレンプライズ(特別栄誉賞)を受賞!
『ファインシュメッカー2014』 ドイツNo.1生産者に選出!

「ワイン造りは、お客様と一緒に味を造り上げていく共同作業だと思っています」

ワイングートは、1955年にカール ファフマンによって、ファルツ州のヴァルスハイム村に設立されました。現在は3 代目のマルクス ファフマンが中心となりワイン造りを行っています。所有する畑は83haで、他の栽培農家からも一部の葡萄を購入しています。非常に厳しい品質基準を設けており、自家畑の葡萄と買い葡萄の品質の違いはありません。栽培する品種の割合は、リースリング(30%)、グラウブルグンダー(25%)、ヴァイスブルグンダー(10%)、シャルドネ(5%)、シュペートブルグンダー(10%)、その他(20%)です。ワインの販売先は、国内市場が55%、輸出市場が45%の割合です。国内市場のうち10%はワイナリーの直売所での販売分が占めています。直売所は、消費者の意見をダイレクトに聞くことが出来るため、注意深く観察してマーケットを把握する参考にしています。

ワイン造りの哲学について、マルクスは次のように語ります。「まず消費者の声に耳を傾けます。そして、消費者がどういう味を好むのかということを考えます。私たちは料理人と同じで、お客様がこういう味で食べたいという風にワインをある程度コントロールして、お客様のニーズに合わせた味に仕上げることができます。特に重要なのは、私の作りたいワインを追及して、それをお客様に理解してもらおうとするのではなく、お客様と一緒に味を作り上げていく共同作業だという風に思っていることです。皆が飲みたいワインを私も一緒に楽しめる、そんなプロジェクトに参加するようにワインを造っています」。

数々の評価に裏付けられる、高品質なワイン造り

DLG(ドイツ農業協会)が選ぶ「トップ100生産者2020(29位)」に、2019年(29位)、2018年(33位)に続き3年連続で選出されました。また、2020年のラインラント プファルツ州の品評会では、2000年の受賞から通算19回目となる「スターツエーレンプライズ(特別栄誉賞)」を受賞しました。この賞は、出品した全てのワインの総合平均が高いワイングートに与えられるものです。カール ファフマンのワインが、どれか1つだけではなく、満遍なく評価されているということになります。また、ワインの評価ガイドである『ファインシュメッカー2014』では、ドイツNo.1生産者に選出されています。

2015年よりFair’N Greenの認証を受けています

Fair’N Greenは、サステナブルなワイン造りのための認証です。サステナビリティのための目標設定(例えば、CO2排出量、生物多様性の高度化、社会的なコミットメントなど)を測定し、評価できるようにし、総合的に達成できるようにするものです。消費者はサステナブルなワインをバックラベル上の認証マークで識別することが出来、サステナブルな商品を認識したうえで選ぶことが出来ます。カール ファフマンは2015年に認証され、メンバーに加盟しました。畑からマーケティングまで、全てのマネジメントを持続的に発展させています。Fair’N Greenの哲学は、「サステナブルなワイン造りは、社会的に責任のある行動であり、販売者、顧客、そして従業員との公平な関係性と結びついている」というものです。

最新のボトリングシステムと地下倉庫

ボトリングマシーンとボトルの掃除を行う際にオゾン水を使います。これによりボトル内の空気が綺麗になりバクテリアも発生しません。ボトリング時は二酸化炭素を含む不活性ガスを極少量注入し、フレッシュな状態をキープしています。また、ワインの保管用倉庫は地下5mにあり、夏でも室温は17°程度、最大でも20°を超えることはありません。

葡萄の酸を保つためのポイントは収穫にありました

カール ファフマンでは朝、晩の温度が低いタイミングで収穫を行いますが、手摘みではなく機械を使って一気に短時間で摘み取ります。収機械を使用して短時間で収穫することにより、天候による葡萄のダメージを防ぎ、収穫のタイミングを外すことなく、きれいな酸をより保った葡萄が収穫できます。また、収穫前に個々の葡萄の実りをチェックして、厳密に選別した品質の良い葡萄のみをそのまま樹に残すという品質に大変重要な作業も行っています。

「品種の特性を出した、インターナショナルなスタイルを目指しています」  しかし、ファルツらしさも忘れないようにしています。

土壌、日差し、マーケットの需要により植える品種を決めています。多くの葡萄品種を栽培しているのは、天候により全滅するリスクを避けるためでもあります。早めに剪定作業を行い、切り落とした枝を有機肥料としています。また、地中の水分を調節するため、樹と樹の間に特別な草を生やしています。

「購入農家とは面積単位で契約」  ほとんどのワインは自家畑の葡萄を使用しますが、一部、他の栽培農家から葡萄を購入しています。畑の面積での契約をし、収穫はファフマンが行います。このような契約の形態を取っているのは、色々な品種を栽培出来るなど、柔軟にワイン

が造れるからです。考え方や価値観を理解し共有できる人にしか頼んでいないので、思った品質の葡萄を造ってもらえています。

「オゾン水を使った瓶詰システムを導入」  地下5mの位置にワイン倉庫があります。倉庫の上にはソーラーパネルがあります。夏でも17度で、20度以上にはなりません。倉庫内は、カビへの対策もしています。2013年から最新のボトリングシステムを導入。オゾン水を使って清掃を行うことで、ボトル内の空気がきれいになり、バクテリアが発生しなくなります。また、白ワインをボトリングする際には、二酸化炭素を注入して、酸化を防ぎ、よりフレッシュな状態を保ちます。

「直売所でじかに消費者の声を把握」  販売先は、国内が45%、輸出が45%、直売所が10%です。直売所に買いに来る人達は品質に敏感なので、消費者の意見をダイレクトに聞くことが出来、また注意深く観察してマーケットを把握する参考にしています。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ