ヴァルポリチェッラ・スペリオーレ・カンポ・ラヴェイの外観

「ヴァルポリチェッラ・スペリオーレ・カンポ・ラヴェイ」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
カ・ルガーテ コルヴィーナ40%、ロンディネッラ30%、
コルヴィノーネ30%
2016 イタリア ヴェネト
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
14.5 ¥3,800 稲葉 2023/7/16

「ヴァルポリチェッラ・スペリオーレ・カンポ・ラヴェイ」レビュー

ワインの外観

ヴァルポリチェッラ・スペリオーレ・カンポ・ラヴェイの外観

茶色入ったダダークチェリーレッドでも奥が透けない濃さ

ワインの香り

グラスを回す前:乾燥プラム、ミキプルーン、すもも、スパイス、キノコ

グラスを回した後:漢方、香辛料、甜茶、オールスパイス、チョコ

ワインの味わい

しっかりした食感、乾燥した果実味ながら凝縮感ある、強いタンニンは熟成によりこなれている、酸も強め、干し草や木の実、キノコ、紅茶、スパイスなどの熟成由来の複雑味が満載、非常に奥行きあり味わい深い

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
思ったより熟成感あるので夏飲みは料理にキノコなど秋の風味とレモン汁を加えて
飲み頃の非常に良いワインだが夏に飲むには熟成感とAlc感がイマイチ。料理で調節したい。
季節

グラス 温度 軽重度
(10段階)
大ぶりびわ 20℃前後 8

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

毎年のように「ガンベロ ロッソ」で最高賞を受賞する、ヴェネトの一流生産者
カ ルガーテにしか出来ないワイン

祖父フルヴィオとモンテ フィオレンティーネ
量り売りから始まった「カ ルガーテの物語」

Ca’は”Casa=家”、Rugateは”ルガーテの丘”のことを指しており、ワイナリー名は「ルガーテの丘の家」という意味で、1986年に名付けられました。それまでのワイナリー名は、現在のオーナーであるミケーレの祖父、フルヴィオの名前を冠した「アジエンダ アグリコーラ テサリ フルヴィオ」でしたが、テサリという苗字はこの地域ではありふれた名前であるため、私たちの家という意味を込めて名付けたそうです。この家を畑仕事の拠点兼レチョート用の乾燥室としたことに由来しています。ミケーレは、エノロゴ2人と共にワイン造りを行ない、父のアメデオが畑仕事を担当しています。スタッフは8人で、収穫は40名で行います。

テサリ家は500年以上続く歴史ある農家の家系で、1900年頃に自家製ワインの販売を始めました。1915年生まれのフルヴィオ ベオが、1930年代には父からワイナリーを引き継ぎました。「祖父は小柄ではありましたが、とても勇敢で偉大で、ワイン造りに情熱を注いだ人でした」とミケーレは語ります。1940年代、第二次世界大戦中、フルヴィオはフランスへの従軍中にドイツ軍に捕まり、捕虜となってしまいました。しかし、彼は友人と共にイタリアへの逃亡を決断します。なんとか逃げ出したフルヴィオは、フランスのコート ダ ジュールの畑を抜け、ようやくイタリアまで帰ってきました。その道中で、房が小さく、高い品質の葡萄が実る美しい葡萄畑を目にしたそうです。「こんな葡萄をイタリアでも造ることが出来たら、どれだけ素晴らしい事だろう!」。こうして、フルヴィオの挑戦が始まりました。

フランスから無事に帰宅したフルヴィオは、早速モンテ フィオレンティーネの畑を6ha購入し、植樹しました。やがて、その葡萄からワインを造り始めました。当初、フルヴィオは醸造したワインを瓶詰めせず、自ら村中のオステリアなどに出向いて量り売りを行っていました。「お金はいらないから、とにかく私の作ったワインを試して欲しい。気に入ったら買ってくれ!」と言って配って回ったそうです。すると、フルヴィオのワインは大変気に入られ、1週間分を売るつもりで街に出たところ、たった1日でワインが売り切れてしまい、毎日家からの坂を上り下りしたそうです。

やがて人々は、ルガーテの丘の上にあるフルヴィオの自宅兼醸造所まで買いに来るようになりました。そして1970年代になると、フルヴィオはカ ルガーテの前身となる、「アジエンダ アグリコーラ テサリ フルヴィオ」を設立し、自社で瓶詰を行うようになりました。1986年には、フルヴィオの息子アメデオが設備投資を行い、ワイナリー名を変更しました。また1999年には、新しい醸造所を完成させ、ワインの品質をさらに向上させました。そして2001年には、アメデオの息子ミケーレがワイナリーに参加しています。

アパッシメントした葡萄を使用
生産者曰く“ベビー アマローネ
「フレッシュなワインとアマローネをブレンドしたコンビネーションワイン。ベビーアマローネ」とミケーレは話していました。単一畑で、標高は400~410m、南西向きです。土壌は粘土石灰質で、ミネラルを豊富に含んでおり、太陽光が白い石に反射し、葡萄が成熟しやすくなります。仕立てはギヨー。10月初めに収穫します。全体の60%の葡萄は除梗し、すぐに発酵させます。残りの40%を3ヶ月陰干しします。12月末に、乾燥させた葡萄を発酵させ、先に発酵させたワインとブレンドして12ヶ月バリックで熟成させます。ルビー色で、ベリーやブラックベリー、チェリー、赤いカラントのブーケ、樽熟成によるスパイシーなアロマがあります。良質のタンニンと、素晴らしい柔らかさが感じられます。パワフル&エレガント。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ