「シャルドネ(カン・フェイセス)」の香りや味わいコメント

「シャルドネ(カン・フェイセス)」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
カン・フェイセス CH 2019 スペイン ペネデス
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
13.5 ¥5,000 フィラディス 2022/10/10

「シャルドネ(カン・フェイセス)」レビュー

ワインの外観

シャルドネ(カン・フェイセス)の外観

輝きあるレモンイエロー

ワインの香り

グラスを回す前:柑橘、鋼のようなミネラル、ほのかにチョコ

グラスを回した後:金木犀や菩提樹、少しヨーグルト、ハチミツ、深みを与える程度のブレット感

ワインの味わい

やや厚めの食感、完熟した黄色い果実の甘味が最初に広がり、力強い酸とミネラル、その後に強い酸がギュッと引き締める、余韻にチョコのような香ばしさが広がる

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
若く要素強いがそれがきちんとバランスとっている白
若干ニューワールドのような樽感がありつつも、酸は強く非常に上質でバランス良い。めちゃ美味しいが、5,000円か・・・。

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

生産者の概要

ペネデスの中で最も標高の高いエリア、アルト・ペネデスにある創業1768年の老舗ボデガ。石灰の強い土壌や標高の高さによる涼やかな気候、昼夜の寒暖差から生み出されるリッチで成熟したシャルドネは、最良の年のみ造られる稀少なワインである。

3つのポイント

  1. カン・フェイセスは15世紀から続く歴史ある農園で、1768年にドン・ハウメ・フェイセスにより醸造所が設立された。
  2. 自然を尊重し、この地の風景を最大限に反映した最高クオリティのワインを目指し、2008年から完全に有機農法でブドウを栽培。約80haのブドウ畑は海抜約350-400mに広がり、昼夜の寒暖差のある涼やかな気候のおかげでブドウはゆっくりと成熟し、糖度と酸の素晴らしいバランスを備える。
  3. 専門各誌で高い評価を集める彼らのシャルドネは、最高の年のみ造られ、瓶詰め後を含め、合計2年以上のセラーでの熟成を経てリリースされる。

生産者のこだわり

スペイン北東部、カタルーニャ州の州都バルセロナから約40km南に位置するD.O.ペネデスは、カバの主要産地として最もよく知られているが、土着品種・国際品種を問わず様々な品種から生み出されるスティルワインにも定評のある生産地だ。栽培エリアは地中海沿岸からカタロニアン山脈の麓まで畑が広がるため、地中海沿いのバホ・ペネデス、最も山沿いにあるアルト・ペネデス、その間にあるメディオ・ペネデスと、標高や気候の違いにより3つのサブ・リージョンに分かれている。バホ・ペネデスでは赤が、メディオ・ペネデスではカバが、アルト・ペネデスでは白に注目が集まる。

スペインでは総じて土着品種が話題となるが、ペネデスではそれに並び白品種ではシャルドネが重要視されている。最適地はもちろんアルト・ペネデス。最も内陸にあるこのサブ・リージョンは、石灰の強い土壌や、海抜の高さから来る涼やかな気候、山の影響を受けた昼夜の寒暖差など、優れたシャルドネを育む条件が揃っている。

このアルト・ペネデスに構えるカン・フェイセスは15世紀から続く歴史ある農園で、1768年にドン・ハウメ・フェイセスにより醸造所が設立された。20世紀初頭に後継者問題から存続が危ぶまれたが、現オーナーであるウゲット家が地所を買い取り、ワイン造りが続けられることとなった。

350haの敷地内では、ブドウの他にオリーブの栽培や羊の放牧も行っており、畑に用いる肥料も自社で賄っている。自然を尊重し、この地の風景を最大限に反映した最高クオリティのワインを目指し、2008年から完全に有機農法でブドウを栽培。約80haのブドウ畑は海抜約350-400mに広がり、昼夜の寒暖差のある涼やかな気候のおかげでブドウはゆっくりと成熟し、糖度と酸の素晴らしいバランスを備える。また、石灰粘土質の土壌は石が多く痩せており、収量が自然と制限される。彼らの入念な畑仕事により、このテロワールの個性がしっかり備わった傑出したクオリティのブドウが育まれるのである。

手作業での収穫の後、畑とセラーの計2回選果が行われ、厳選したブドウから得られたフリーラン果汁のみがカン・フェイセスのワインとなる。専門各誌で高い評価を集める彼らのシャルドネは、最高の年のみ造られ、瓶詰め後を含め、合計2年以上のセラーでの熟成を経てリリースされる。長いハングタイムがもたらす複雑で濃厚な果実、それを引き立たせる豊かなオークやフレッシュなキャラクターに、全体を引き締める石灰のミネラル。スペインでこれほどリッチで成熟したシャルドネは中々見つけることは難しい。

スペインはD.O.ペネデスの中でも海抜の高いアルト・ペネデスに所有する畑の最高のブドウをセレクションし、最高の年のみ造られるシャルドネです。実は社内でシャルドネのブラインドテイスティングをして人気投票をした際に、1位が1万円以上するムルソー、2位が1万円以上するシャサーニュ・モンラッシェとなんとこのワイン!!そして3位が1万円近いピュリニー・モンラッシェという結果になりました。この結果には社内でも騒然となり、改めてこのシャルドネの完成度、コストパフォーマンスの高さに衝撃を受けました。ぜひ皆さんにもこの衝撃を味わっていただきたいです。

≪こんな香り・味わいのワインです≫:
最高値まで完熟したパイナップル、レモンの蜂蜜漬け、ヴァニラクリームの甘い香り。さぞかし果実の甘さが際立ったワインなんだろうな、と思い口に含むと印象は一転。まずはフレッシュな柑橘系の酸味が心地よく刺激し…その後で巨大なフルーツ爆弾が、起爆。果実味が派手に弾け、長く大きく、広がっていきます。リッチな派手さがあるのに下品さの一切無い、洗練極まるスペイン白ワインでした。

≪このワインとのマリアージュ料理は?≫:
クリーム、チーズ、などを使用したお料理との相性は抜群!私はチーズと和えたシンプルなパスタとこのワインのペアリングにあまりにも感激し、失神しかけた経験があります。是非お試しを!!

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ