「リンゲンフェルダー リースリング・シュペートレーゼ・トロッケン」の香りや味わいコメント

「リンゲンフェルダー リースリング・シュペートレーゼ・トロッケン」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
リンゲンフェルダー Ri 2020 ドイツ ファルツ
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
13 ¥3,300 稲葉 2023/3/13

「リンゲンフェルダー リースリング・シュペートレーゼ・トロッケン」レビュー

ワインの外観

リンゲンフェルダー リースリング・シュペートレーゼ・トロッケンの外観

キラキラ輝くやや黄色強めのレモンイエロー

ワインの香り

グラスを回す前:凝縮感、カリン、ネクタリン、オイル、白や黄色の花

グラスを回した後:金木犀、華やかさ、石油香少し

ワインの味わい

やや厚めの食感、凝縮感ある果実味ながら酸しっかりで鋼のようなミネラルもありつつ、果実の凝縮感とオイリーさにより堅すぎずバランス良く味わいに格の高さを感じる、コスパ良い

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
香り華やか味はビシッと
完熟感ありつつ、しっかりドライに仕上がったドイツリースリング。
季節

グラス 温度 軽重度
(10段階)
中ぶりびわ 8-15℃ 4

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

ロバート パーカー5ッ星評価の地位を捨て、自然に従うワイン造りの道を歩む
「完璧ではないからこそ美しい」ありのままのワイン

ドイツのトップ生産者としての地位を確立
リンゲンフェルダーは、ファルツ地方のグロースカールバッハの地で、1520年からワイン造りを行なってきました。現在のオーナーは、1951年生まれのライナー カール リンゲンフェルダーです。13代目にあたるライナーは、かつて、ロバート パーカーの著書「パーカーズ ワイン バイヤーズ ガイド第4版」で、エゴン ミュラー、フリッツ ハーク、ヨハン ヨゼフ プリュムなどの著名生産者とともに、5ッ星(OUTSTANDING)の評価を獲得しました。『ワイン アドヴォケイト1994.2.26』では、「フラインシュハイマー ゴルトベルク ショイレーベ アウスレーゼ 1992」が99点を獲得。『ワイン アドヴォケイト』に掲載されている、1992VTのすべてのアウスレーゼの中でもトップスコアです(次点は96点)。また、同誌に99点の評価が掲載された1992VTのワインはわずか8本しかなく、この点数は、ルフレーヴのモンラッシェ グラン クリュや、スクリーミングイーグルと並ぶほどの凄まじいものでした。

「私はワインメーカーでも、芸術家でも職人でもない。ただ自然に従い、自然をボトルに詰めている」
これだけの評価を得ていながら、ライナーはトップ生産者しての地位に固執せず、自らが理想とするワインを造るための道を歩んできました。具体的には、ロバート パーカーが絶賛したような極甘口タイプのワインの生産を止め、より日常的に飲むワインを手掛けています。これにより、評価誌への掲載は少なくなりましたが、決してワインの品質が落ちたという意味ではありません。むしろ、「‟良いワイン”以上のワインを造りたい。‟本物のワイン”を造りたい」と意気込み、畑に由来する天然酵母による偶発的な発酵を大切にしながらすべてのワインを生産しています。自然環境や畑の天然酵母を守るため、ボルドー液や防虫剤、除草剤を使用しません。2016VTではべと病がまん延し多くの生産者が対策を施しましたが、ライナーは農薬を使用せず、結果としてなんと80%もの収穫を失ってしまいました。また、同じワインであっても、あるタンクでは辛口、あるタンクでは発酵が途中で止まってしまったために甘口になることがあります。しかしライナーは、それ以上酵母を添加したり、介入したりしません。「発酵が自然に止まったその状態こそ、そのワインにとってあるべき姿だ」。ライナーの哲学が垣間見える言葉です。

「完璧ではないからこそ美しい。私のワインも同じようなものだ」
ライナーは、「ある本で読んだのだが」と前置きし、日本の‟わびさび(侘び寂び)”に感銘を受けたと話してくれました。「2015VTに、全く同じ葡萄で造ったロゼワインがある。しかし、1本は辛口で、もう1本は甘口だ。なぜなら、2つのタンクの内の1つが、辛口になる前に酵母が活動を終えたために甘口になってしまったからだ。こうしてできたロゼワインは完璧なワインではないかもしれないが、それぞれに個性があって良い。ここには日本の‟わびさび”の文化に通じるものがあると思う。たとえば、そこに完璧な日本庭園があったとする。その庭園に桜の花が舞うと、庭園の完璧さを乱してしまうかもしれない。しかし、完璧ではないからこそ美しい」。

「これは以前、稲葉が訪問してくれた時にプレゼントしてくれた漆塗りのお盆だ。表面がざらざらしていて、お盆としては完璧ではない。しかし、この表面の起伏があるからこそ、いろんな角度から見ていて美しさを感じる。この漆器からも‟わびさび”を感じた。私のワインも同じようなものだ」。天然酵母による偶発的な発酵を経て、辛口になるか甘口になるかも分からないような自然の産物として出来上がったありのままのワイン。不完全かもしれないものの、だからこそ美しいのだというライナーの哲学が良く分かるエピソードです。

天然酵母のみで発酵にこだわった高品質の辛口リースリング
「リースリングの個性がよく表れています。フレッシュな果実味で酸が成長していますが、これは良い葡萄から造られていることの証です。固く強い酸ではなく、やわらかく感じます。酸を味わうのではなく、ボディの後ろで支える役割となっています」とライナーは話していました。フラインシュハイマー ゴルトベルクの葡萄から造ったワイン。充分に発酵させるため辛口には選別酵母を使う生産者が多いのですが、リンゲンフェルダーは、土地と自分達の魂を反映したワインを造りたいと、天然酵母しか使いません。黄色がかった色合いで、熟した甘い果実の香り。程よいコク、控えめな酸があり、辛口ですがぎすぎすした感じがありません。余韻に、ほのかな柑橘系の苦味が感じられます。かつてこのワインを飲んだフレンチレストランのソムリエから、「アルザスのグラン クリュは5,000円以上してしまいますが、それに匹敵する品質のリースリングが、ドイツなら3,000円以下で手に入るのですね」と言われた程の高い品質の辛口リースリングです。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ