ステュディオ ビアンコ ヴェネト

「ステュディオ ビアンコ ヴェネト」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
カ ルガーテ トレッビアーノ60%、ガルガネガ40% 2020 イタリア ヴェネト
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
13 ¥4,500 稲葉 6/23/2024

「ステュディオ ビアンコ ヴェネト」レビュー

ワインの外観

ステュディオ ビアンコ ヴェネトの外観

輝きあるレモンイエロー

ワインの香り

グラスを回す前:カリン、ネクタリン、パッションF、ココナッツ

グラスを回した後:植物繊維、さとうきび、アスパラ、しゃぼん

ワインの味わい

活き活きした食感、パインなど南国果実の果実味、キレイな酸がしっかりとあり、トーストのような香ばしいコク、さとうきびを思わせる甘みとベジタブル感、後半には石を思わせるミネラル感があり、非常に複雑

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
複雑味が心地よい
カリフォルニアの若めの良いCHのようなニュアンス。テイスティングせずにグラスを選ぶと丸いグラスを選ばないだろうが、これは大ぶりな丸グラスがおすすめ
季節

グラス 温度 軽重度
(10段階)
大ぶり丸 10-15℃ 6

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

量り売りから始まった「カ ルガーテの物語」

Ca’は”Casa=家”、Rugateは”ルガーテの丘”のことを指しており、ワイナリー名は「ルガーテの丘の家」という意味で、1986年に名付けられました。それまでのワイナリー名は、現在のオーナーであるミケーレの祖父、フルヴィオの名前を冠した「アジエンダ アグリコーラ テサリ フルヴィオ」でしたが、テサリという苗字はこの地域ではありふれた名前であるため、私たちの家という意味を込めて名付けたそうです。この家を畑仕事の拠点兼レチョート用の乾燥室としたことに由来しています。ミケーレは、エノロゴ2人と共にワイン造りを行ない、父のアメデオが畑仕事を担当しています。スタッフは8人で、収穫は40名で行います。

テサリ家は500年以上続く歴史ある農家の家系で、1900年頃に自家製ワインの販売を始めました。1915年生まれのフルヴィオ ベオが、1930年代には父からワイナリーを引き継ぎました。「祖父は小柄ではありましたが、とても勇敢で偉大で、ワイン造りに情熱を注いだ人でした」とミケーレは語ります。1940年代、第二次世界大戦中、フルヴィオはフランスへの従軍中にドイツ軍に捕まり、捕虜となってしまいました。しかし、彼は友人と共にイタリアへの逃亡を決断します。なんとか逃げ出したフルヴィオは、フランスのコート ダ ジュールの畑を抜け、ようやくイタリアまで帰ってきました。その道中で、房が小さく、高い品質の葡萄が実る美しい葡萄畑を目にしたそうです。「こんな葡萄をイタリアでも造ることが出来たら、どれだけ素晴らしい事だろう!」。こうして、フルヴィオの挑戦が始まりました。

フランスから無事に帰宅したフルヴィオは、早速モンテ フィオレンティーネの畑を6ha購入し、植樹しました。やがて、その葡萄からワインを造り始めました。当初、フルヴィオは醸造したワインを瓶詰めせず、自ら村中のオステリアなどに出向いて量り売りを行っていました。「お金はいらないから、とにかく私の作ったワインを試して欲しい。気に入ったら買ってくれ!」と言って配って回ったそうです。すると、フルヴィオのワインは大変気に入られ、1週間分を売るつもりで街に出たところ、たった1日でワインが売り切れてしまい、毎日家からの坂を上り下りしたそうです。

やがて人々は、ルガーテの丘の上にあるフルヴィオの自宅兼醸造所まで買いに来るようになりました。そして1970年代になると、フルヴィオはカ ルガーテの前身となる、「アジエンダ アグリコーラ テサリ フルヴィオ」を設立し、自社で瓶詰を行うようになりました。1986年には、フルヴィオの息子アメデオが設備投資を行い、ワイナリー名を変更しました。また1999年には、新しい醸造所を完成させ、ワインの品質をさらに向上させました。そして2001年には、アメデオの息子ミケーレがワイナリーに参加しています。

ソアーヴェ クラッシコ エリアの、モンテフォルテ ダルポーネの北に位置する、トレメナルト地区の単一畑からのワイン。畑は火山性土壌で、斜度35%の斜面にはギヨー仕立てでトレッビアーノ ディ ソアーヴェを、上部のテラスにはペルゴラ仕立てでガルガネガを植えています。トレッビアーノ ディ ソアーヴェが骨格と長期熟成の可能性を、ガルガネガがエレガントさを与えています。葡萄は別々に、50%はステンレスタンク、50%はフランソワ フレール社の2?3回使用樽(680L)で発酵、ブレンドして9ヶ月熟成させます。濃い麦わら色、ポプリやグリーンティのブーケの中に、かすかに白い果肉のフルーツ、火打ち石の香りが感じられます。口に含むと深みと広がりがありますが、重たさは感じられません。フレッシュでアロマティックな香りは、リッチで驚くほど長い余韻へと続きます。 ? ステュディオへの想い ? ラベルのバレエダンサーとワイン名には、カ ルガーテの思いが込められています。ダンサーがエレガントで完璧な踊りを見せられるのは、長年にわたる毎日の鍛錬、踊りに対する情熱があるからです。常に新しい限界に向かって学び続けるダンサーの姿と、新たなワイン造りを探求する自分たちの姿を重ね合わせています。また、ステュディオは「研究」の意味で、現在は使用されることの少ない地葡萄のトレッビアーノの可能性を研究し続けてきたことを表します。ラベルデザインは、スタッフのフェデリーカによるもので、ダンサーのドレスはヴィンテージによって色が変わります。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ