「ムーラン・ナ・ヴァン・サプロリット」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
ドメーヌ・ポール・ジャナン・エ・フィス ガメイ 2018 フランス ボージョレ
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
14.5 ¥4,000 稲葉 2022/11/6

「ムーラン・ナ・ヴァン・サプロリット」レビュー

ワインの外観

青が若干残るダークチェリーレッド

ワインの香り

グラスを回す前:イチゴジャム、ブルーベリー、プラム、カカオ

グラスを回した後:スパイス感増す、イチゴのシナモンコンポート、プラムジャム、ほのかに木炭のような香ばしさ

ワインの味わい

さらりとした食感、果実味は適度に、酸とタンニンややしっかりめで香りの印象よりドライで力強い、特に口中での酸と余韻のタンニンをしっかり感じ、カカオのような香ばしさも、アルコールのボリュームもあり強さあるワイン

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
ブルゴーニュの村名ワインのようだが全体的な果実味はピノより丸くやや黒果実寄り
流石のムーラン・ナ・ヴァンの力強さだが、食感はレニエのほうが滑らか。もう少し熟成させたい。

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

ムーラン ナ ヴァンで4世代続く生産者/古樹のガメイが生む卓越したワイン

ドメーヌ ポール ジャナン エ フィスは、AOCムーラン ナ ヴァンのエリアにあるロマンシュ-トラン村で4世代に渡りワイン造りを行う家族経営の生産者です。現在のオーナー、エリックの曾祖父で樽職人とワイン農家を兼業していたジャン クロード ジャナンは、1918年からワイン造りを専業とするようになりました。その後、1937年に祖父のマルセル ジャナンがムーラン ナ ヴァンの“ル トランブレイ”の畑に数区画を購入し、現在の場所にドメーヌを設立しました。1962年、エリックの父、ポールがワイン造りに参加、1967年にドメーヌにとって最も重要な区画、「レ グルヌリエ」を含むいくつかの畑を購入し、さらに規模を広げました。また、この頃にドメーヌ名を自らの名前を冠した「ドメーヌ ポール ジャナン」としました。1983年に栽培、醸造学を学んだエリックが祖父、父と共にワイン造りを行うようになりました。2008年に父のポールが引退し、エリックがドメーヌを引き継ぎました。

「樹齢の古い葡萄が多いのが特徴」……現在7.5haの畑を所有、7haの大部分は樹齢の古いガメイ(40年から100年)、残りの0.5haはシャルドネ(樹齢10年)です。たいへん樹齢の古い葡萄が多いのがこのドメーヌの特徴で、これらの葡萄から非常に質の高いワインを造ることで定評があります。最も古いのは「レ グルヌリエ」と呼ばれる区画で、1914年に植えられ、樹齢100年を超えています。その他にも1935年に植えられた80年以上の「レ ビュルドリンヌ」の区画を所有しており、これらの畑はドメーヌにとってまさしく「宝物」と言えるでしょう。

「20年以上前から除草剤の使用は無し」……除草剤は1995年から使用を止め、代わりに土を耕す方法を採用しています。当時のボージョレ地区では、このようなやり方をする人はまれでした。グリーンハーベストはせず、選定、芽かきで収量をコントロールしています。また、フランスの農業省が環境に配慮した農業を行う従事者に認めるHVEを取得しています。

「熟成中のミクロオキシジェナシオン」……熟成中のステンレスタンクは、酸化を防ぐために、窒素が満たされています。そこに、ミクロオキシジェナシオンにより酸素を送り、溶け込ませることで、複雑さを与えタンニンをやわらげて、エリックの目指す完璧なバランスを実現させています。

クリュ ボージョレの中で力強く複雑性が生まれる産地
ムーラン ナ ヴァンからのワイン
「サプロリット(Saprolite)」とは、ボージョレ地区特有の風化した花崗岩を指し、この土壌がワインにミネラルを与えています。ロマンシュ-トラン村の3つ区画の葡萄を使用しています。畑の標高は250m〜350m、南から南東向きの日当たりの良い場所にあります。畑の表土はマンガンを含む赤粘土、下層土は風化した脆い桃色花崗岩、一部は、山から運ばれた崩積土の砂質が混ざっています。葡萄の仕立ては伝統的なゴブレ、樹齢はたいへん古く、一番若いものでも80年、最も古いものは100年になります。収量は規定の56hl/haに対し、ブルゴーニュのグランクリュ並みの30hl/haと極めて低いですが、たいへん素晴らしい品質の葡萄が出来ます。収穫は9月初旬に100%手摘みで行います。選別は2回、最初は畑で選別しながら摘み取り、35kg入りの小さいケースに入れます。その後、セラーに運び振動式の選果テーブルで2度目の選別を行います。ほとんどの場合、除梗せず全房のままコンクリートタンクに入れ、葡萄の果皮についている天然酵母で発酵をスタートさせ、12日から15日間、25度から30度に温度コントロールしながら行います。発酵後、空気圧プレスで圧搾し、ステンレスタンクに移し、綺麗な澱と共に11ヶ月熟成させます。その間、ミクロ-オキシジェナシオンを行い、微量の酸素を供給し、タンニンを和らげ、ワインのバランスを取ります。区画ごとに醸造したワインはボトリングの前にブレンドします。軽くフィルターをかけ、清澄せずにボトリングします。ふくよかな口当たり、ミネラルのニュアンスがあり、とてもバランスがとれています。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ