「バルベーラ ダスティ(アジエンダ・アグリコーラ・ロベルト・サロット)」の香りや味わいコメント

「バルベーラ ダスティ(アジエンダ・アグリコーラ・ロベルト・サロット)」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
アジエンダ・アグリコーラ・ロベルト・サロット バルベーラ 2020 イタリア ピエモンテ
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
13.5 ¥1,800 稲葉 2023/7/16

「バルベーラ ダスティ(アジエンダ・アグリコーラ・ロベルト・サロット)」レビュー

ワインの外観

バルベーラ ダスティ(アジエンダ・アグリコーラ・ロベルト・サロット)の外観

濃いめのダークチェリーレッド、青は抜けている

ワインの香り

グラスを回す前:干したというよりフリーズドライの赤い果実、酸気、ほおずき、干しバラ、乾燥スパイス

グラスを回した後:華やかさ増す、赤い花や果実、ハイビスカスティー

ワインの味わい

中程度の食感、やや乾燥気味ながら思った以上にしっとりした果実味で凝縮感もある、きめ細かいタンニン、酸は強め、ローズヒップやハイビスカスを思わせる爽やかな華やかさ、若干しっとり感のあるスパイスの風味

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
きめ細かいタンニンが心地よい
若干しっとり感のあるスパイスの風味は小樽熟成かと思ったがステン熟成。タンニンの質は夏に良い。ただ酸が気持ちへばりつくので冬のほうが良いか?いずれにせよ1800円は安い。
季節

グラス 温度 軽重度
(10段階)
中ぶりびわ 19℃前後 6

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

誰よりも早くバローロにアパッシメントの考えを持ち込んだ革新的人物

大規模なワイナリーでの経験が今に生きる
ロベルトは醸造学校を卒業して父を手伝っていましたが、その後年間生産量6,500万本というピエモンテの大規模な醸造所の醸造長として手腕を発揮。同時にガヴィにある生産者組合のジェネラル マネージャーとしても活躍しました。現在はそれらを辞し、自身の畑を所有、質の高いワイン造りを行なっています。さらに6名の親しいメンバーと共同経営する醸造所のエノログを務めています。またワインに含まれる200種類ほどある化学成分の専門家でもあります。高品質で様々なタイプのワインを、リーズナブルな価格で
醸造学校に通い始めた頃から、国際市場に進出するという野望を持っていました。それには、小さなワイナリーでも幅広いタイプのワインを造るべきだと考えました。そこで、十分な大きさの良い畑が必要となり、D.O.C.G.、D.O.C.エリアで少しずつ買い足してきました。また、長年大きなワイナリーで働いた経験から、どの畑やどの農家の葡萄が良いかといった知識を得ることが出来ました。伝統にとらわれず、サロット スタイルで、独自のワイン造りをすすめています。

ワインは畑で生まれ、セラーで育つ
ロベルトが最優先で注意を払うのは畑です。自然の生態系を守りながら、化学的なものを減らしていき、いつかゼロにしたいと考えています。契約農家にも同様の指示をしています。畑のあるところにセラーが必要と考え、ガヴィ、バローロ、自宅のあるネヴィーリエの3ヶ所にセラーを所有しています。

バローロとバルバレスコはひとつの土地でクリュの違い
D.O.C.G.に認定される際、バルバレスコの生産者がバローロと同じになることを嫌ったため、別のD.O.C.G.となりました。ですがサロットは、どちらも類似したネッビオーロにとって最適な土地で、クリュの違いと考えています。

<評価>
「ルカ マローニ ベストワイン年鑑」の99点満点を、3つのキュヴェで同時に獲得

「かなり規模の大きなワイナリーで、これほどの規模の自社畑はピエモンテでは珍しいが、それでもロベルト・サロットは全体的に職人的特徴を保持していて、それは全てのワインに一貫している。ピエモンテの主な呼称産地に幅広くブドウ畑を所有しているので、様々な品種を旅するように試飲することができる。ワインのスタイルは濃厚で、断固としたものが多い。全てのワインが非常にコストパフォーマンスの高いものであることは特記に値する。」
「ガンベロ ロッソ イタリアワインガイド2018」より

葡萄は9月中旬に手摘みで収穫します。除梗、破砕した後、ステンレスタンクに入れ、10日間、温度管理しながら発酵させます。その後、澱引きをしてマロラクティック発酵、さらにステンレスタンクで熟成させます。紫がかった濃いルビーレッド。チェリーやプラムのアロマに加え、かすかにブラックベリーの葉の要素が感じられます。口に含むと非常にスムーズでバランスが取れており、バルベーラらしい十分な酸が、ワインにフレッシュさと生き生きとした個性を与えています。エントリーレベルでもコストパフォーマンスの高さを感じることが出来ます。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ