
「ナンバーワン」の香りや味わいコメント
生産者 | ぶどう品種 | ヴィンテージ | 生産国 | 地方 |
ビーニャ・ファレルニア | CS50%、Sy25%、 カルムネール25% |
2017 | チリ | エルキヴァレー |
Alc | 参考価格(税別) | 色 | 輸入元 | 試飲日 |
15 | ¥3,500 | 赤 | 稲葉 | 2023/3/27 |
「ナンバーワン」レビュー
ワインの外観
ワインの香り
グラスを回す前:色同様こげ茶色の香り、黒ベリー、火が消えた薪、黒胡椒、ジンジャー、甘苦スパイス、生きくらげ、土
グラスを回した後:華やかになり赤黄色の香り、オレンジディー、赤や黄色の花、実山椒、コリアンダー、赤胡椒、柑橘の皮
ワインの味わい
滑らかな食感、果実味は凝縮しつつ重すぎない、華やかな酸とややしっかりめのタンニン、タンニンは細かくシルキー、樽由来のバニラやシナモンのような甘苦系スパイスの風味が豊か
その他コメント

アメリカオーク熟成のカルメネールのおかげで、イタリアのプリミティーヴォと思った。Syの華やかさ由来と思う、赤や黄色の香りが上品で国も品種も当てられないワイン。
季節
|
グラス | 温度 | 私的に買う度 (5段階) |
軽重度 (10段階) |
冬 | 大ぶりびわ | 20℃前後 | 3 | 7 |
ワインコメント投稿のコンセプト
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輸入元情報
チリのワイン地図に「エルキ ヴァレー」を刻み込んだ
「エルキ ヴァレーのパイオニア」・・チリワインの産地の中心は、サンディアゴから南に集中してあり、エルキ ヴァレーのような北でワイン造りをしている生産者はいませんでした。他のチリの生産者たちに、「あの二人のイタリア人は愚かだ」と非難されましたが、信念を貫き通しました。彼らがワイン造りを始めた事で、エルキ ヴァレーは、チリ最北端の新しいワイン産地としてワイン地図に記されることになりました。
「4ヶ所の畑がそれぞれ個性的」・・ワインの品質の90%は、適正な場所に葡萄を植え、適正な時期に収穫することにかかっていると考えています。
「ティトン」は、標高350mで海岸から近く海からの冷たい風のため、標高が最も低いにもかかわらず一番冷涼な畑です。また、年間200~220日も午前中に霧が出て、樹に湿度を与え、強すぎる日差しを遮るため、気温が5~7度下がります。その結果、成熟が遅くなります。「プクラロ(サン カルロ)」は、標高515mで、プクラロ湖(人口貯水池)から近く、ワイナリーのすぐ裏に面しています。ティトンよりも内陸にあるため、霧はほとんど発生せず、さらに乾燥しています。日中はとても暑いのですが、夜になると急激に気温が下がります。「ペドリスカル(ペドロガル)」は、標高650mです。整備に2年かけ、川の流れを変え、畑を造りました。土壌は、川石が多く砂質で、グラーヴやシャトーヌフ デュ パプに似ています。昼と夜の気温差が激しく、カルムネールに最適です。「ホヮンタ」は、標高1700~2070m、面積は30haです。おそらく世界で最も高い場所にある葡萄畑のひとつです。日中は焼けるほど暑く、日が落ちると急に寒くなるという、寒暖差の激しい場所です。水源があり、1500年前インカ時代の石で造った水路を利用しています。
「設備は全てイタリア製で、区画ごとに醸造」・・160個のタンクと1,000個の樽を所有、ワイナリー設立当初からすべての区画ごとにタンクを分けて醸造しています。タンクやボトリングマシーンはイタリアから輸入したものを使っています。ステンレスタンクは、温度を同じに保つため、厚さが12cmもあるものを選んでいます。赤ワインの発酵タンクの上には2本のピストンが付いており、果帽をこのピストンで突き崩し、マストの中に沈めます。伝統的なポンピングオーバーよりも、マストに負担が少ない柔らかな抽出が可能となります。
「フランス製のフレンチオーク樽、アメリカンオーク樽」・・熟成用の樽は、フレンチオークもアメリカンオークも、フランスのタランソー社製を使っています。「フランスのメーカーによるアメリカンオークのほうがエレガント」とフレッサティは話しています。瓶詰め前のフィルターは、赤は1回のみ、白はマロラクティック発酵をさせないので二次発酵を避けるため、2回通します。
「ラベルは先住民族の絵」・・古代のインカ帝国がこの地に来る前に生息した先住民族ディアギータ族が陶器などに使用していたシンボルマークを入れています。地元の美術館で見つけ採用しました。エリアの歴史や文化を継承する意味でも大事なことと考えています。ワイナリーの名前は、約2000年前の古代ローマ時代に造られていたワイン「ファレルノ(Falerno)」に因んでいます。
複数の葡萄を巧みにブレンドしたファレルニアの最上キュヴェ
フレサッティが、オリヴィエ家に敬意を込めて造ったワインです。オリヴィエ家は、アルドの母親、アルド、そして息子と、チリに移ってから3世代目になりました。そこで、3種類の葡萄を使って最高のワインを造ろうと考えました。名前は、ファレルニアが樽100%で造った一番目のワインだったというシンプルな理由から付けました。それぞれ最も良い区画の葡萄を使用しています。収穫した葡萄は優しく破砕します。10度で48時間、発酵前の醸しを行ないます。22~24度で10日間発酵させ、その後1週間醸しをします。ステンレスタンクでマロラクティック発酵させます。カベルネ ソーヴィニヨンとシラーはフレンチオーク樽で、カルムネールはアメリカンオーク樽で12ヶ月樽熟させます。ブレンドし、3ヶ月タンクで置いてから瓶詰します。赤いベリーやバニラ、チョコレートの香りと風味が感じられます。樽は強すぎず、バランスの取れたワインとなっています。
この記事を書いている人
OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ
寺井 剛史(てらい つよし)

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ