フィサン クロ ザントル ドゥー ヴェル モノポール

「フィサン クロ ザントル ドゥー ヴェル モノポール」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
ドメーヌ デュ クロ サン ルイ PN 2022 フランス ブルゴーニュ
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
13 ¥7,300 アズマコーポレーション 2025/4/30

「フィサン クロ ザントル ドゥー ヴェル モノポール」レビュー

ワインの外観

フィサン クロ ザントル ドゥー ヴェル モノポールの外観

淡いダークチェリーレッド、もやが入り始めている

ワインの香り

グラスを回す前:ダークチェリー、野イチゴ、黒オリーヴ、樹木、カルダモン、シガー、コーヒー

グラスを回した後:しっとり、暗い森、森の下草、木炭

ワインの味わい

滑らかな食感、軽やかながら凝縮感ある果実味(カシスやダークチェリーなど黒い果実)、酸は強いがとても丸く、タンニンは適度にあるが非常にしなやか、シガーのような甘い風味に、コーヒーや木炭のような香ばしさ

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
若くても美味しいブルゴーニュ村名クラスを造る生産者の代表作であり単独所有畑のワイン
相変らず若くても良い。メーカーに入ってもすぐ欠品になりがちなのが残念。
季節

グラス 温度 軽重度
(10段階)
大ぶり丸 17-20℃ 5

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

ドメーヌを運営するのはベルナール・フィリップ氏とその娘のヴィルジニ氏。ヴィルジニ氏はモンペリエ大学で栄養学を学び、卒業後2015年からクロ・サン・ルイにて働き始めました。ベルナール家はブルゴーニュの名家で、フィリップ氏の祖父はディジョン市の市長、父はフィサン村の村長を務めました。フィリップ氏はワイン造りに専念すべく、政治には参加していません。この生産者の代表的な畑はモノポール「クロ・アントル・ドゥー・ヴェル(Clos Entre Deux Velles)」。Les Entre Deux-Vellesと呼ばれる区画の内側に16世紀に作られた塀で囲まれた畑です。こちらの畑はパリに住むコロンビエ家(Collombier)が所有しており、2009年よりベルナール氏がこの畑を借り入れ単独で管理しています。2008年まではドメーヌ・ベルト(Domaine Berthaut)が畑を借りていました。Vellesは昔のフランス語で村のことを意味します。1970年に統合されるまで、フィサン村とフィセイ村が存在していて、ちょうどその間に畑があることから、この名前が付けられました。  現在、クロ・サン・ルイは合計17ヘクタールの畑を所有、フィサンに10ha、マルサネに5ha、ジュブレに1ha、ブロションに1ha所有しています。フィサンに保有する区画「En L’Olivier」(日本未入荷)はフィサンの最上部に位置し、土壌は赤みを帯びた粘土石灰質。隣接する1級畑に引きを取らない好立地です。ベルナール氏は将来を見据えて、この区画が1級畑になるべくINAOに働きかけを行っています。2019年よりテラヴィティス認証を取得しました。
モノポール畑を父と娘で管理する、この生産者の指標ともいえる1本

フィサンの中心部に堂々3.5haに広がるモノポール(単独所有畑)の畑で自然派認証「テラヴィティス」を取得しています。標高は約300mの緩やかな斜面でクロ(石垣)に覆われている畑です。土壌は畑内下部は石灰のあまりない褐色粘土土壌ですが、中部~高部と登るにつれ、石灰が多く含まれた黒っぽいニュアンスの褐色石灰質土壌になります。 葡萄はすべて手摘みで収穫。葡萄の平均樹齢は約60年のヴィエイユ・ヴィーニュです。この畑のフィサンの特徴は標高の高さ由来の「エレガンスさ」にあります。それを引き立たせる為と、自然なままの果実感を大切にするために全房発酵は行っていません。野生酵母を使用してセメントタンクにて発酵。樽はアリエ産、ヴォージュ産の樽を使用しています(新樽比率10%)。 フィサンの中でも強すぎず、癖も少ないエレガンスなスタイルに仕上げています。それでいながら、フィサンに共通する野性味や力強さも感じられます。当主であり父でもあるベルナール氏と、その娘であり後継者として修業中のヴィルジニ氏の原点とも言える素晴らしいモノポール畑です。

〜テイスティングコメント〜

この生産者の指標ともいえるワイン。果実の密度はしっかりしていながらもエレガンススタイルなフィサンです。牛肉料理と是非。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ