
生産者 | ぶどう品種 | ヴィンテージ | 生産国 | 地方 |
ニコラ・ジョリー | CB | 2001 | フランス | ロワール |
Alc | 参考価格(税別) | 色 | 輸入元 | 試飲日 |
13 | (私の店で) \33,000 現行2019Vintageの参考価格¥14,960 |
白 | ファインズ(エノテカも?) | 2022/4/28 |
フランス五大白ワインに数えられる、元祖ビオディナミのニコラ・ジョリーによる極上の1本。

「クロ・ド・ラ・クレ・ド・セラン(サヴニエール) ニコラ・ジョリー」レビュー
ワインの外観
ややアンバーの入った黄金色、くすみはなくキレイ
ワインの香り
グラスを回す前:黄色い完熟果実、カリンのシロップ漬け、洋ナシ、アジアの果実、スパイス
グラスを回した後:パパイヤ、シナモン、ナツメグ、コリアンダー、デュカ、ターメリック、柑橘、紅茶、とにかく複雑

熟成によりスパイス感満載で、アジアンフルーツが並んでいる市場のようです。
ワインの味わい
若干とろりと厚みある食感、柑橘を思わせる爽やかな果実味、酸はしっかりあるが丸みあり快適な酸、非常に複雑なスパイス感が果実味と一体化しており、柑橘と南国果実をスパイスで仕上げたデザートのよう
その他コメント

今日の私のワイン講座で使います。昨日から抜栓するか迷ったけど、ロワール特集で果実味も感じてもらいたいので最新ヴィンテージを試飲したこともあるのですが、絶対に熟成させたほうが楽しめます。古酒感は若干あるものの、レモンのような酸が非常に力強く、それでいて鋭くなく果実味と一体化しています。
そして不思議と最新ヴィンテージのほうが、果実味より石灰や木炭、煙を思わせるミネラルが強く、スモーキーというか果実のフレッシュ感は感じにくい気がします。若いヴィンテージなら、ニコラ・ジョリーが言うように、前日や数日前にダブルデキャンタージュしておくと複雑さを楽しめます(ただ、やはりブランデーっぽいというか、オレンジワイン的というか、果実感は感じにくい気もします)。
合う季節:??季節を超えたワインです。ただ、これだけ熟成しているのに春に飲んで合う!と思いました。
合う料理:スパイスをまぶしたフォワグラのテリーヌ、スパイスを使った高級フランス料理
おすすめ温度:9-20℃(冷えていても美味しいし、温度上がると複雑味が増します。温度を上げることを勧めるソムリエが多いかもしれませんが、この果実味と酸は冷えている状態もすごく好きです)
おすすめグラス:大ぶりの丸型or卵型
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輸入元情報

ドメーヌの歴史
クレ ド セランはシトー派修道僧により12世紀に植えられた由緒ある畑で、以来800年以上もの間ブドウ栽培が行われています。1962年からジョリー家が所有し、1976年に現当主であるニコラ ジョリー氏が運営に参加。ジョリー氏は「美味しいワインである前に、その土地固有の繊細さを表現した本物のわいんでなくてはならない」と、1980年から部分的にビオディナミを導入し、1984年からすべての畑でビオディナミを行っています。
2001年、ジョリー氏はビオディナミの団体「Return to Terroir」を創立、12カ国、約150生産者がこの団体に所属しています。また、彼はこの団体を通し、世界中で講演し、原点へ回帰を提唱しています。栽培
クレ ド セラン、クロ ド ラ ベルジュリ、ヴュー クロに畑を所有。1984年からすべての畑でビオディナミが行われています。ドメーヌでは牛や羊などを飼い、イラクサを始め多くのハーブを育てています。ハーブなどからビオディナミに必要なプレパラシオン(調合剤)を造り、家畜たちが畑の草を食べ、馬で耕作するなど、自然と動物と共にブドウ栽培を行っています。
ニコラ ジョリー氏がビオディナミを説明した著書『Le Vin, La Vigne et La Biodynamie』の日本語版をこちらでお読み頂けます。
醸造
自然酵母にて発酵、発酵時の温度はコントロールしません。また、デブルバージュ、コラージュは行わず、主に古樽で数ヶ月間熟成後、瓶詰め前にフィルター処理を極軽く行います。
この記事を書いている人
OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ
寺井 剛史(てらい つよし)

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ