メタ グルナッシュ
生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
シュワルツ・ワイン・カンパニー Gre 2020 オーストラリア サウス・オーストラリア
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
14.5 ¥3,283 モトックス 2022/4/4

醗酵:ステンレスタンク(天然酵母、86%全房醗酵) 熟成:90%ステンレスタンク、10%フレンチオー樽で6カ月(300L/旧樽)

「メタ グルナッシュ」レビュー

ワインの外観

 

メタ グルナッシュの外観

透明感あるダークチェリーレッド、やや青が入っている

ワインの香り

グラスを回す前:ブルーベリー、紫の香り!、紫の花、スミレ、ラベンダー

グラスを回した後:紫の香りが変わらずしっかりと強く存在しグラスを回す前との大きな変化を掴みにくい、ほのかに備長炭

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
グルナッシュですがシラーのようなスミレを思わせる華やかさを持っています。

ワインの味わい

さらりとした食感、鮮やかでしっかりした黒系果実の風味、ややしっかりめのタンニンと酸があり香りの割にドライ、口中に花の香りが広がりつつ、黒こしょうを思わせるスパイス感がある、アルコールのボリューム感は甘味を伴い、余韻は長い

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
ピュアな果実味ながらタンニンもしっかりめの華やか赤ワインです。
アルコール度数13.5%と現代の赤としては普通のアルコール度数ですが、グルナッシュという糖度が上がる品種だからか、
きちんとアルコールのボリューム感があり、アルコールの甘味を感じます。
とはいえ、タンニンと酸もしっかりと存在するので、バランス良いです。

合う季節:春(グルナッシュは春イメージではないでしょうが、このワインは花の香りも感じ、春に良いです)

おすすめ温度:17-21℃前後

おすすめグラス:大ぶりの果実のびわ型

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

輸入元情報

ソムリエ寺井
ポイントと思うところに私がマーカーを引いています

モダンバロッサ。クリーン系のナチュラルワイン
ブドウ栽培農家に生まれたオーナー醸造家ジェイソン・シュワルツ氏によって2001年、南バロッサ、ベサニーに設立したワイナリーです。

温暖で非常に乾燥したバロッサ・ヴァレーのワインはアルコール度数も高く、完熟した果実を樽熟成させることにより、豪州の代名詞とも言える力強い赤ワインを生んできた産地ですが、今日では様々なスタイルのワインが生み出されています。

シュワルツ・ワイン・カンパニーもその一つで、過熟を避けたブドウ栽培を行い、バロッサの宝とも言える”シラーズ”と”グルナッシュ”を中心に、人的介入を抑えたナチュラルなワイン造りで、モダン派の一員として高い評価を獲得してきました。

またモダン派の中でも、シュワルツ・ワイン・カンパニーのスタイルはナチュラルでありながらも薄っぺらさはなく、正確に品種の特性を捉える正統派の代表格でもあります

オーナーのジェイソン・シュワルツ氏はステレンボッシュ(南ア)やモーゼル(独)のワイナリーで修業した経歴の持ち主で、ボルドー、ブルゴーニュ、ローヌ、ナパ・ヴァレーなどの多くの産地を訪れ醸造家と交流してきました。また地元豪州においては、バロッサ・ヴァレーの偉大な生産者のもとで経験を積んできました。

そして満を持して、父親が所有するバロッサの中でも特に偉大と言われる、グルナッシュとシラーの畑からブドウを収穫し、2001年に自身のブランド「シュワルツ・ワイン・カンパニー」を立ち上げました。

バロッサに存在する古木の魅力を最大限に引き出したワインは多くの人の心を捉え、今日では『ジェームス・ハリデー』最高評価の5つ星を獲得するワイナリーにまで成長を遂げ進化し続けています。

現在、シュワルツ・ワイン・カンパニーでは、使用するブドウの約40%をシュワルツ家が栽培する農園から、また60%を古くから付き合いのある近隣の優良農家と契約しワイン造りを行っています。最も古い樹になると、その樹齢は130年を超えるほどで、代々栽培農家が守り育ててきた、世界的に見ても大変貴重な古木がシュワルツワインの品質を支えています。中でも、シラーズとグルナッシュはバロッサを代表するブドウ品種として知られ、シュワルツ・ワイン・カンパニーにとっても最も重要な蔵の顔ともなっています。

艶やかで美しい質感のグルナッシュ「メタ」
■「ティーレ・ロード」のグルナッシュ

温暖な産地でその真価を発揮すると言われる黒ブドウ、”グルナッシュ”。バロッサの地は正にグルナッシュの理想郷です。自社畑「ティーレ・ロード」はシュワルツ家によって1941年に植えられ、大切に守られてきた区画で、現在もブドウ樹は株仕立てで栽培されています。この畑は、ジェイソン・シュワルツ氏が、今日バロッサにおいて最も優れたブドウが取れる区画の一つ、と位置付ける非常に重要な区画となっていて、収量こそ低いですが、毎年安定して大変素晴らしい実を育みます。

この区画のブドウは単一畑「メタ」シリーズのグルナッシュにも使用さています。メタ用のグルナッシュは過熟を避け、適度な熟度で収穫し、フレッシュ感を残します。また、醸造面では天然酵母を用い、一部セミカーボニック手法を取り入れる事で鮮やかなイチゴを彷彿させる赤果実とピュアな酸味、柔らかで艶やか且つセクシーな質感とテクスチャーを持たせます。

セミカーボニック手法で仕込む豪州産グルナッシュは、モダン派、ナチュラル派の中で一つの流行りのスタイルとなっていますが、「メタ」グルナッシュは透明感を持ちながらも果実の複雑さ、深みを持ち合わせた、モダンバロッサを代表する、非常に高品質で興味深いワインとなっています。