エスペランサ(アン・コワン・シュル・テール)

「エスペランサ(アン・コワン・シュル・テール)」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
アン・コワン・シュル・テール Sy70%、Gre30% 2023 フランス ラングドック・ルーション
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
13.5 ¥3,300 ヌーヴェルセレクション 2025/11/6

「エスペランサ(アン・コワン・シュル・テール)」レビュー

ワインの外観

エスペランサ(アン・コワン・シュル・テール)の外観

やや青の残りつつエッジは朱色のダークチェリーレッド、もや、粘性高め

ワインの香り

グラスを回す前:赤い果実の香り、梅や桃、さくらんぼ、自然派っぽさ(小豆と除光液の香り。これらは多すぎると劣化ワイン)

グラスを回した後:スミレ、干し花、暗く湿った森

ワインの味わい

タンニン強いのに軽やかでスイスイ飲める自然派ワイン
さらりとした食感、適度に熟成を感じる乾燥気味の赤い果実の風味、タンニンは力強く収斂性あるが細かく快適、酸強め、土、木の実、木の枝、ほうじ茶、オレンジティー、など複雑。

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
自然派ワインだろうからタンニンは樽由来ではなく品種由来?そうなると、CSやTem、Neが第一候補で、第二候補でSyなどボルドーと言いたいがハーブの清涼感ないし、仏ローヌ、Sy、2023、13.5と予想。答えは、ニアピン。
季節

グラス 温度 軽重度
(10段階)
中ぶりびわ 17-21℃ 5

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

18歳でワイン造りの道を志したエドゥアール・サンテスは、生まれ育ったボルドーで修行を開始しました。「ヴィニュロンの家系ではなく相続できる畑はありませんでしたので、将来はどこかのワイナリーに勤務するか自分でゼロから起ち上げるかしかなく、どちらにしても、家業の後を継ぐことが決まっている友人たちの何十倍も努力しなければならないと思いました。非常に幸いなことに「シャトー・オー・ブリオン」で修行することができ、世界最高レベルの栽培と醸造を実地に学ぶことができました」。
 修行を完了した2006年、「コスティエール・ド・ニームのグラン・ヴァン」を造ることを目的としてラングドック地方東部のヴォヴェール村に2001年に設立された気鋭のワイナリー「スキャマンドル」の醸造長に抜擢され、以降7年間にわたって、ビオロジック栽培への転換や、「オー・ブリオン」直伝の醸造技術の導入といった大役を全うしました。
 「「スキャマンドル」のオーナーたちは進取の気性に富み、創造性に溢れ、新しい試みも自由にさせてもらえました。その中で2010年に実験的にナチュールのワインを造ったのが、今から思えば私の人生の転機になりました。それは、従来のワインとは異なる「何か」であるように感じ、衝撃を覚えました」。
 ニューオーリンズから収穫に来ていた後の奥さんレーン・ボーデンさんとの幸福な出会い♡も経て、2015年、同じ村に1ヘクタールの畑を取得する好機に恵まれ、ついに、自身のワイナリー「Un Coin sur Terre」(「地球の片隅」)を始動させました。
 「取得した畑が、私の生まれ年である1984年からビオロジック栽培を続けていたことにも運命を感じました。その後少しずつ畑を買い足して、ビオロジック栽培 → ビオディナミ → SO2不使用 → ヴァン・ナチュールと進化させてきました」。
 2021年には、フランスの自然派ワイン生産者の団体「Syndicat de défense des Vins Nature’l」によって提唱され、フランス農務省やINAO等のフランス当局が公式に認可した「Vin méthode Nature」にも加盟しました。
 「ふんわりとやわらかな口当たり。ジューシーな鮮度感。深み。癒し。消費者にヴァン・ナチュールの本当の美味しさ、素晴らしさを知っていただくために、「VmN」のような定義が必要だとずっと考えていました。SO2をはじめとする添加物を使用せずに健全で美味しいワインを造ることは、おそらく多くの方が想像されるよりもはるかに難しいことなのです。私の場合は、「オー・ブリオン」等で学び修めた醸造学が本当に役に立っています」。
 「私たちのワインは、スタッフや収穫を手伝ってくれる方々をはじめとするたくさんの仲間の優しさや誠実さ、人や自然を愛する気持ちの結晶です。ぜひ、好きな人や仲間の皆さんと一緒にお楽しみください」(サンテス夫妻)。

Vin de France。シラー70%、グルナッシュ30%のブレンド。ヴォーヴェール村に合計2ha。粘土質・砂岩質土壌。樹齢約15年。収量は40hl/ha。シラーはステンレスタンクで、グルナッシュは500リットルの樽(demi-muid)で発酵後、6ヶ月間熟成。「エスペランサ」はスペイン語で「希望」の意味で、「ヴァン・ナチュールこそ私たちの未来の希望である」という意味が込められています。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ