飲食業の皆さん、店内ではどんな靴を履いて(はいて)いますか?
長時間働く私たちには疲れない靴で、かつ水場で滑らない靴を選ぶのが大事です。
私たちにとって、靴は消耗品であると同時に、仕事効率を高めるかどうかの重要品でもあるわけです。
この記事ではソムリエの私が実際に気に入って履いている『飲食店におすすめの靴』をおすすめしています!
先にその靴が何か書いちゃいます。このハイドロテックのブルーコレクションを愛用しています。すぐにこの靴について読みたい方は、↓の目次の私が履いている『飲食業におすすめの靴』をクリックしてご覧ください。
動画でご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
どんな道具でも求める機能は細分化されます。まずは靴に求める機能を整理しましょう。
飲食業と一般ビジネスマンでは靴に求める機能は違いますし、飲食業の中でも厨房スタッフとホールスタッフでは違います。
さらに、ホールスタッフでも、ホールのみで接客する場合と座敷のある店での接客では選ぶべき靴が変わってきます。
この記事では、①ホール接客をする方へのお勧めの靴、②靴を脱ぐ座敷接客におすすめの靴、③厨房の料理人におすすめの靴を紹介したいと思います。
ホール接客におすすめの靴
私は約30年飲食店のホール接客をしています。その間、何度か靴を変えてきましたが、ここ15年くらいは同じメーカーのものを履いています。その靴の紹介となぜその靴が良いのかについて書きたいと思います。
ホール接客の靴に必要な5つのポイント
ホール接客の靴に必要なポイントは次の5つです。
- 清潔感があり、正統派(ビシっとしていると見てもらえる)な黒の靴
- 革靴または合皮の靴
- 立ちっぱなし歩きっぱなしなので疲れにくい靴
- 洗い物をするので防水性のある靴
- 厨房に入ることもあるので滑らない靴底
ただしこれは、黒ズボンに白シャツの服装のお店をイメージしています。
もう少しカジュアルな、カフェのようなお店なら2番目の革靴の部分は、布製のものやスニーカーでも良いですが、4番目、5番目もある程度クリアしたものは多くないかもしれません。
靴を消耗品として買うか仕事道具として買うか
次に、靴を消耗品とみなす方法とケアして使う方法があり、靴の買い方が変わってきます。
- 靴を消耗品とみなす方法
- 安めの靴を何度も買い替える
- ケアして使う方法
- 良い靴を中期的に履き続ける
言葉の響きだけだと、ケアして使うほうが良いような気がしますが、決してそんなことはありません。自分のお店と生活スタイル、性格にあったものを買うのがおすすめです!
靴を消耗品として買うのがおすすめな人
靴底の消耗が激しい床の飲食店で働いている方には、消耗品として靴を買う方法が良いのではないかと思います。
私はホテル勤務時代はフロアが大理石風のタイルで靴底の消耗が激しかったので、靴底の寿命が数か月でした。靴底の消耗は、高い靴でも安い靴でも大きな差がないような気がします。
なので、安めの靴を買って靴底がすり減ると新しいものを買い替えていたのです。
靴を消耗品とみなして『安めの靴を何度も買い替える』方法には次のようなメリット、デメリットがあります。
安めの靴を何度も買い替えるメリット
- 見た目キレイな状態の靴が常に履ける
- 使い捨て感覚で定期的なケアをあまり気にしなくて良い(ケアの時間が不要)
安めの靴を何度も買い替えるデメリット
- 安い靴は合皮なので硬い
- 歩きやすさなどの機能面はあまり考えられた靴ではない
- 上記より、中長期的に使う靴より疲れやすい
- 買いに行く回数が増えるので、手間が増える
- 初期投資は安いが、数年単位では高くつく
このメリットに関してはなんといっても最初に書いているキレイな状態の靴を常に履けることが大きなポイントです!
「寺井さんの靴は、常に光っていますね!!」
とお客様や後輩・先輩から言ってもらえたりもします♪
近所の靴のディスカウント店に行ってみると思いのほか安い革靴(合皮)が売っています。自分に合うものを買って、どんどん買い替えましょう。(例えば↓はAmazonで約2千円です)
靴を仕事道具としてケアして使うのがおすすめな人
靴底の消耗が緩やかな床の飲食店で働いている方には、良い靴を中期的に履き続ける方法が良いと思います。
実際、現在の私は『良い靴を中期的に履き続ける』方法で靴を購入しています。
というのも私がこの15年の間に携わってきた飲食店や小売店の現場は、床が木だったり、絨毯(じゅうたん)だったりしたためです。
つまり靴底の減りが以前よりも緩やかなので靴底の劣化のせいで買い替えるよりも、靴の革のダメージやシューホールそのものの痛みにより買い替えることになるわけです。
そして、これらはケアすることによってかなり寿命が変わってきます。
革のダメージに関しては、念入りでなくても良いので、ある程度のケアをしてあげれば寿命はかなり延びます。
シューホールの痛みは(つまり靴そのものの痛み、靴の変形ですね)、きちんと靴ベラを使って履くようにして、使用後はシューキーパーを入れてあげれば、特別なケアをしなくても、かなり寿命が伸びます。
なので、現在はある程度の金額(といっても10,000円程度)の本革の靴を買い、それを履きつぶしています。
飲食店勤務で買ってはいけない革靴
ある程度の靴を買う際に、注意した方が良いことがあります。ビジネス用の高級革靴を買うと靴底も革な場合があります。
靴底がラバーソール(ゴムの靴底)でなく革だと、飲食店の床が木やタイルの床の場合、歩くときにカツカツと音がなってしまいお客様の食事をするのに、耳障りになってしまうのです。
また靴底が革だと厨房内で滑ったりしますし、あとやっぱり、ゴムのようなある程度の弾力性のある靴底のほうが、店内を歩き回るうえで疲れにくいはずです。
中長期的に良い革靴を使い続けるメリットデメリットを整理しておきましょう。
中長期的に靴をケアして履くメリット
- 良い靴は合皮ではなく本革なことが多く、寿命が長い(合皮はひび割れの寿命がある)
- ケアをすれば長い期間、輝き続けた靴を履くことができる
- 本革なので靴がどんどん足に馴染んでくる
- 上記の理由から、消耗品の靴より断然疲れない!
- 本革なので合皮より通気性が良く、軽く、柔らかい
- 初期投資は安い靴の数倍だが、数年使うので最終的には安い
中長期的に靴をケアして履くデメリット
- 値段が高い
- 合皮に比べると水に弱いものが多い
- 場合によっては革がボロボロになる
- ケアに手間がかかる
飲食業におすすめの靴『ハイドロテック・ブルークコレクション』
結局、どの靴がオススメなんだというご質問もあるかもしれません(^^ゞ
私が飲食業の方におすすめする靴は、実際に私が履いている靴で、ハイドロテック・ブルークコレクション(↓)です!
ハイドロテックという靴のブルーコレクションというやや高級シリーズ。デザインはストレートチップ。
以前はプレントゥーを履いていたのですが、どうやらブルークコレクションでは廃盤となり、ブラックコレクションという合皮シリーズでしかなくなったようです。
慣れていたので、プレーントゥーが良かったのですが、どうしてもブラックコレクションではなく本革のブルークコレクションが良かったので、ストレートチップにしました。
→2022.6月追記。ブルーコレクションのプレーントゥが復活していました!ちょうど買い替え時期だったので購入しました^^
ハイドロテック・ブルークコレクションがおすすめな理由
このハイドロテックは日本製!日本人の足に合う横幅がある靴です!!
そして飲食業にとって嬉しいのが防水性と通気性に優れていることです。
というのも、私たち飲食業は水が靴にかかることも多いので、防水がとてもありがたいんです。このハイドロテックは、なんとミシン目にも防水処理を施してあるそうで、とっても助かります^^
また、私たちって、ランチの準備をする朝から、ディナーの片づけをする夜中まで1日じゅう靴を履きっぱなしなことも多い!なので通気性もありがたいです。
さらにクッション性も非常に優れており、滑りにくく、靴底だけを見るとスポーツシューズのようです。
これも立ち仕事である私たち飲食業にとってはとてもありがたいです。
耐久性にも優れ、以前のプレントゥーは手入れをしながら約5年描き続けることができました。
まだまだ履きたかったのですが、靴がくたびれた感じになってきたのと(でも履けばフィットして、そうは見えません)、靴底が痛んできたので買い替えることにしました。
ハイドロテック・ブルークコレクションの耐久性
この記事を書いたころ、新品だったハイドロテック・ブルークコレクション・ストレートチップですが、丸2年履いてこんな感じになりました。
どうでしょう!
いい感じですよね^^新品の時と違って味がありつつ、全くヘタレた感じではありません♪
やっておきたい靴を履く前の準備
新しい革靴はどうやって履き始めていますか?
ピッカピカの靴ですから、そのまま履き始めても問題はないのですが、ちょっとひと手間かけると、より靴にとって良い状態で履き始めることができます。
中長期的にケアして履くからには、良い状態で履き始めて、できるだけ長持ちさせたいですよね。
そんなひと手間を、さっと簡単に時短モードで説明しますね^^
靴のブラッシング
靴屋さん(ネットショップでも)にある靴は、倉庫の箱に入ってそれなりに長い期間保管されています。
または、店頭に並んでいることもあるかもしれません。
そんな靴は、目には見えない埃がたまっています。まずはブラッシングをしましょう!
古いクリームを落として新しいクリームを塗る
革靴についている古いクリームやワックスをまずは落とします。
出荷時も塗ってあることがありますのが、古いものはある意味汚れとも言えます。まずは、汚れ落としの靴用ローションなどで落としましょう。
そして、新しいクリームやワックスを塗って、磨けば・・・
★☆ピッカピカ☆★です
せっかくの新しい靴♪これから頑張ってもらうためにも、気持ちを込めて磨いて使い始めましょう^^
座敷で靴を脱ぐ必要のある接客におすすめの靴
過去、個室料金が必要な部屋が畳でした。予約がある日は、先ほどの紐靴ではなく、ハイドロテックのローファータイプを履いていました。(常に二足用意していた)
紐(ひも)ではないので、脱いだり履いたりがしやすいです。一応、商品を紹介しておくとこちらです(↓)。もう履いていないけど、まだ靴箱には残っています。
ただ、全室個室の居酒屋さんなど、やはり頻繁に靴を脱ぐとなると、スリッポンタイプというのでしょうか、かかとの薄い靴がおすすめです。
私は、ワインショップではこのタイプを履いています。
トイレがスリッパなことや、デスクワークしていても、なんだか疲れて靴を脱ぎたいときがあるので、脱ぎやすいものにしています。
場合によっては、この靴のまま外出することもあるのですが、紐があるおかげで、歩く際にスリッパみないな疲れはありません。
私は楽天で買いました(↓)
クロックスの黒を履いている店も多いのですが、店の格によってはちょっと安っぽいですよね。
クロックスでもビストロというシリーズなら穴もあいていなくて、飲食店でも使えそうな感じです。
厨房スタッフにおすすめの靴
調理場の靴は、私は履いたことがないものの、コックさんと靴の話をしたことは何度もあります。
彼らによると、昔はつま先に鉄板がはいっていて重たい鍋を落としてもつま先を守ってくれるコックシューズを履いていたけど、今は履いている人は少ないそうです。
確かに、私がホテルにいるころは厨房スタッフはごっつくて重そうなコックシューズを履いていました。
今もホテルは安全面からそうかもしれませんが、街場のコックさんは履いている人は少ないように思います。
厨房スタッフ数人に聞いてみたのですが、あまり強くこだわりをもって履いている人がいなかったので(業者のカタログに載っているものを買っているという感じ)、ネットでお会いしたことがない方なのですが、「この方はこだわりを持ってコレを履いているのだろうな」と思った靴を紹介します。
この靴を紹介している方は、京都でイタリアンバル、クチーナカメヤマを10年以上経営しているオーナーシェフの亀山さんです。
亀山さん曰く、コックさん向けの靴としては
● 滑らない靴
● 耐水性がしっかりした靴
● クッション性がある靴
● 耐久性が有る靴
が購入時のポイントで、オススメの靴がこのHyper v 5000。
この靴を履いてからはもうこの靴しか履きたくないと思えるほどに、優秀なコックシューズです。
滑りにくく耐水性もあり、クッション性も高く、そして何より耐久性が高いのでかなり長持ちします。(ネットの情報では耐久性にムラが有り)
引用元:飲食店の靴選び。飲食業で20年以上働いている僕が勧める最強の靴とは
亀山様、ブログを拝見して、(履いたこともないのでは?なんて記事も多い中)心からのおすすめ記事だなと思い、勝手に紹介をさせていただきました。もし、掲載不可な場合、ご連絡をいただけたら幸いでございます。
おまけ~おすすめの靴下~
飲食店に勤めるなら黒の靴下ですね(女性はストッキングの場合も多いです)。
この黒の靴下、安い靴下はすぐ穴が開くけど、決して高いからといってそこまで長持ちしませんよね?
ユニクロ派も多いです。私も以前はユニクロで買っていました。
ユニクロより季節によってはスーパーの方が意外と安いと思ってスーパーの衣料品売り場で買ってみたこともあります。
で、今は何かというとAmazonです。それがこちら。
10足入ってこの値段。安いです。モノもそこそこ長持ちします。良いと思います。
まとめ ~飲食店におすすめの靴~
いかがでしたか?
飲食業の皆さん、もしレストランで履く靴で迷っているなら、ハイドロテックのブルーコレクションがおすすめです!
1万円というとビジネスシューズとしては決して高い部類ではなく、中程度の価格の部類だと思います。
履きつぶしの数千円の靴ほど安くないかもしれませんが、私の1足目は約5年も履くことができました!
これは飲食業の現場用としてはかなり長寿だと思います。
皆さんも是非、買ってみてください^^
ついでに、ズボンも探している方は、こちらがおすすめ。
丈夫だし、ゴムが入っているのでタブリエつけてベルトなしで着ることもできます。
ワインを開けるソムリエナイフのおすすめも書いています。是非、「プレゼントにおすすめの愛用ソムリエナイフの紹介&娘にも贈った話」をご覧下さい。
この記事を書いている人
OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ
寺井 剛史(てらい つよし)
大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ