
「カンポ・ディ・コロンネッロ・ウンブリア・ビアンコ IGT」の香りや味わいコメント
生産者 | ぶどう品種 | ヴィンテージ | 生産国 | 地方 |
カンティーナ・ライナ | トレッビアーノ・スポレティーノ 100% | 2021、2022 | イタリア | ウンブリア |
Alc | 参考価格(税別) | 色 | 輸入元 | 試飲日 |
13.5 | ¥3,500 | 橙 | アズマコーポレーション | 2022/11/20
2024/12/6 |
「カンポ・ディ・コロンネッロ・ウンブリア・ビアンコ IGT」レビュー
ワインの外観
2021年:ベージュがかった黄金色、ほのかに濁り
2022年:ディープゴールドに輝く外観
ワインの香り
2021年
グラスを回す前:柑橘、べっこう飴、松脂
グラスを回した後:石、ミネラル、アミノ酸、野菜や稲、アク
2022年
グラスを回す前:柑橘、カリン、カリン酒や杏酒、金木犀、シナモン、ジンジャー
グラスを回した後:ひのき、備長炭など高級な木の香り、べっこう飴、稲、オレンジの皮をスパイスとシロップで煮た
ワインの味わい
2021年:力強い食感、男性的な果実味、酸しっかり、タンニンもある、野菜のアクのような複雑味、ハードチーズのアミノ酸を思わせる旨味、非常に複雑で味わい深い
2022年:滑らかな食感、乾いた果実味は乾燥柑橘のような爽やかさとカリンのような豊潤さ、酸しっかりめだが、それ以上のタンニン。以前試飲時は出荷から翌年だったこともあり、非常に力強かったタンニンだが、今回は熟成のおかげで滑らかなタンニンに。ちょっとカテキンっぽさも。木質さやスパイス感もあって複雑。
その他コメント

オレンジワインとしてティモラッソと並び最も好きなワインかもしれない。非常に複雑でかといって、タンニンもあるが飲みにくいわけではない。美味しい!2022年:寺井お気に入りのオレンジワイン。樹木ラベルもあり当店定番品♪
かなり滑らかなのは、温度高めで飲んでいるからかと思ったが、前回は生産年の翌年に試飲、今回は翌々年だからか。
季節 | グラス | 温度 | 軽重度 (10段階) |
冬 | 大ぶりびわ | 13-18℃ | 8 |
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輸入元情報
ワイナリー名のライナは最初にサグランティーノを植えた土地の前オーナーの愛称。この名前にしたのは土地と歴史を残すため。カンティーナ・ライナはウンブリア州にある「イタリアの最も美しい村」の一つとして知られるモンテファルコから東に約4kmの小さな集落の中にあります。設立は2002年。ファブリッツィオ・マリアニ氏が、古い農家の家屋と12haの土地を購入したことに始まります。標高は220m~300m。2002年から2008年にかけて葡萄を植樹。葡萄畑は10ha。赤ワインはコルドン、白ワインはグイヨに仕立てています。 現在のオーナーはファブリッツィオの息子で1978年生まれのフランチェスコ氏。彼は2002年にペルージャの大学で哲学を修め卒業した後に、料理人の道へ。ウンブリア州のレストランで修業を重ねた後、2005年には調理師免許を取得。約2年間、ミシュラン星付きのレストランで勤務。 そして2007年にワイナリーへ加わり畑仕事と醸造学び、現在に至るという変わった経歴の持ち主。現在は同じ歳で農業と醸造を勉強し、フランチェスコの考える自然な葡萄栽培と醸造、そして理想とするワインのスタイルに共感したアンドレア氏との2人が中心となりワイナリーを運営しています。 畑では原則としてビオディナミを実践。化学的な除草剤、殺虫剤などは一切使用していません。銅、硫黄に加えてイラクサ、トクサ、ビヨウヤナギなどを煎じたものを散布。その他、ビオィナミの調剤である500番と501番のプレパラシオンを使用。土地本来のエネルギーを正常化、そして活性化を行っています。収穫は全て手摘み。目指す醸造のスタイルは「自然で栽培され、土地の味が詰まった葡萄を、そのままワインに変えること」そのため、発酵は野生酵母を使用しSO2も必要最小限に抑えるようにしています。 ワイナリーでは自然と技術の融合。目標はテロワールを表現したワインを造ること、しかし自然なワイン造りをし過ぎて味が濁っていてはいけない。あくまでも果実は透明であること。味わいがあることはもちろん、葡萄の個性を楽しんで飲むことができるワイン造り。 熟しすぎている葡萄を使用しないこと。酸がしっかりとある健全な葡萄を収穫すること。そして、余計なタンニンを抽出しすぎないように、発酵期間は他の自然な造りをしている生産者と比べ比較的短いです。樽を使用する際には葡萄品種本来の個性を損なわないように古樽を使用。そして最後に自動ポンプシステム付きのスレンレスタンクやソフトプレス機などの必要な技術を取り入れること。また、ワイナリーの屋根にはソーラーパネルを敷き電機の一部を賄っています。また、セラーやタンクの洗浄には敷地内にある池の水を使用するなど環境にも配慮するようにしています。 セラーのある建物には、ワインと共に郷土料理も楽しむことができる予約制のレストランも併設。ここでは近隣のオーガニックやビオディナミを実践する農家の野菜や肉、そしてサラミや生ハム、さらには野生のハーブなどを提供するイベントも行われています。ワインと食材、そして食事。スローフード、スローワイン。ウンブリアの恵まれた自然を愛し、料理人としての経験も持つフランチェスコ氏ならではの考えが、そのままワイナリーとなっています。
ウンブリアの地場品種トレッビアーノ・スポレティーノを果皮ごと醸した辛口白ワイン
トレッビアーノ・スポレティーノは晩熟の品種で、10月も終わりにさしかかった頃に熟します。栽培されている畑があるのは、標高220m付近の北西の区画です。植樹密度は1haあたり5,700本。丁寧な手摘みによる収穫後は、果皮と一緒にステンレスタンクで発酵します。発酵には野生酵母を使用。その後、オリも一緒にステンレスタンクで5か月間熟成し、瓶詰め後はリリースまでに2か月ほど寝かせています。アロマは、落ち着きと華やかさを兼ね備えたキンモクセイ。果実と果皮のもたらすニュアンスで口当たりもやわらかく、ミネラル感がしっかりと味わいを支えている辛口ワインです。
〜テイスティングコメント〜
アロマは落ち着きと華やかさのあるキンモクセイ。口当たりもやわらかく、ミネラル感がしっかりと味わいを支えている辛口です。
この記事を書いている人
OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ
寺井 剛史(てらい つよし)

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ