「レ プティ カイユ デュ ロック」の香りや味わいコメント
生産者 | ぶどう品種 | ヴィンテージ | 生産国 | 地方 |
ドメーヌ ル ロック | ネグレット70%、シラー30% | 2019 | フランス | 南西地方 |
Alc | 参考価格(税別) | 色 | 輸入元 | 試飲日 |
14 | ¥2,500 | 赤 | 稲葉 | 9/30/2024 |
「レ プティ カイユ デュ ロック」レビュー
ワインの外観
濃いめのダークチェリーレッド、青が少し残る
ワインの香り
グラスを回す前:むんむんと黒いベリーの香り、ブルーベリーのLiqやジャム、巨峰ゼリー、ダークチェリーのタルト、アニスのような甘苦スパイス、どこか赤い花の華やかさもある
グラスを回した後:甜茶、ココナッツミルク、キャラメル、ダークチョコ
ワインの味わい
力強い食感、凝縮感ある果実味、非常に力強いタンニンは若干熟成による滑らかさ出ているがまだまだ収斂性があり攻撃的、酸もとても強い、若干の野性味もある、これらに覆われがちだがアニスのようなスパイス感やトーストやチョコのようなニュアンスのおかげで強いが粗々しくない
その他コメント
フランス南西地方タナとマルベックのブレンド2020年、13.0%、2,500円と予想したが、品種・Vin・Alc間違い。力強く、タンニン好きにはかなりおすすめ。
季節
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グラス | 温度 | 軽重度 (10段階) |
夏 | 大ぶりびわ | 20℃前後 | 8 |
月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。
ワインコメント投稿のコンセプト
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輸入元情報
リブ家の兄弟が立ち上げたワイナリー
ドメーヌ ル ロックは、南西地方のAOCフロントンの中心、ガロンヌ川とタルン川の間に位置する家族経営のドメーヌです。この土地の土着品種ネグレットを中心に、個性的なワインを手掛けています。38haの畑を所有し、年間約15万本のワインを生産しています。ドメーヌは1980年代にジャン-リュック リブとフレデリック リブの兄弟によって設立されました。1974年に兄弟の祖父がセラーと畑を購入しましたが、彼らの父親の時代まではフロントンの協同組合に葡萄を売っていました。兄のジャン-リュックは父と一緒に畑で働いていました。フレデリックが醸造学の勉強を終えて大学を卒業し、フロントンのいくつかのワイナリーで働いた後、兄弟は、協同組合を離れて自分達のドメーヌを設立することを決意しました。初めて二人が造ったワインのファーストリリースは1986年です。それから30年以上にわたり、ジャン-リュック、そしてフレデリックと彼の妻カトリーヌを中心にずっと家族経営でワイン造りを行ってきました。数年前からは、フレデリックとカトリーヌの末娘のアンヌ、ジャン-リュックとフレデリックの甥のグレゴワールが加入しました。ジャン-リュックは引退し、ドメーヌはフレデリックとカトリーヌ、アンヌ、グレゴワールが共同で経営しています。
新たな世代、アンヌとグレゴワールの活躍
弊社では、ドメーヌ ル ロック(当時はシャトー ル ロック)のワインを、1999年~2005年にかけて輸入していました。ジャン-リュックが手掛けていた頃のワインは濃密で力強いスタイルで、その当時も高品質ではあったものの、やはり知名度の低さからなかなか定着せず、残念ながら継続を断念しました。それから数十年が経ち、彼らのワインをもう一度取り扱うことは出来ないだろうかとコンタクトをとりました。当時、18haだった畑面積は2倍以上、38haにも広がり、新たなラインナップが増えていたこと、また新たな世代であるアンヌとグレゴワールが活躍していることを知りました。そこで、彼らのこだわりのワインをテイスティングし、もう一度挑戦する価値があると判断しました。栽培を担当するグレゴワール、醸造を担当するアンヌという新たな世代が入ったことで、ジャン-リュック時代のパワフルなスタイルとは異なり、より現代的でソフトな質感、味わい深さが感じられるスタイルに変化しています。
「父の時代からの変化についてはたくさんの理由がありますが、一番はやはり気候変動が挙げられます。ワインのアルコール度数は、20年前より1.5%は上がっています。それはつまり、ワインのバランスが変わってしまったということです。父は醸造に関することについて全て教えてくれるので、父とたくさん話をして、毎年新しいことにチャレンジするようにしています。4年前には、葡萄の梗を残して醸造してみたところ、新しい味わいが生まれることが実感できました。今も色々なことを試行錯誤しています」と、アンヌは話してくれました。
「畑で多くの仕事をすることが、私たちの哲学です」
1981年からオーガニックに近い栽培を行ってきました。2022ヴィンテージから公的認証(AB)がつくようになります。「父や叔父の時代は非常に多くの書類や時間が必要となることから、認証取得について特に申請していませんでした」。畑の畝と畝の間には草を生やしています。冬の間は、飼育している50頭の羊を畑に放しています。羊に草を食べてもらうことで、科学的な除草剤を使用せずに自然なやり方でカバークロップの量をコントロールしています。「この羊の放牧については、同じエリアの他の生産者がやっていないことで、私たち独自の取り組みです。私たちの哲学は設立当初から何も変わっていません。生き物すべてを尊重し、自然環境に配慮したワイン造りを目指しています。この土地は自分達だけのものではなく、より良い自然環境を保ちつつ、次世代に引き継いでいくべきだと考えています。畑では出来るだけ多くの手をかけ、反対にセラーではなるべく介入しません」とアンヌは話します。
日々の作業は年によって異なります。雨が多い年は、夏の間に房の周りの葉を落とし、葡萄が乾くようにしています。一方、暑い年は逆に葉を残して、強い日照や熱さから葡萄を守るようにしています。フロントンでしか主に栽培されていない葡萄品種、ネグレットをメインに、シラーやカベルネ ソーヴィニヨンからのワインを造っています。多くは赤ワインで、少しのロゼワインとロゼのスパークリングワイン(ペット ナット)、そして少量の白ワインを造っています。畑は3つのエリアに分かれており、それぞれ土壌タイプが異なっていて3つのテロワールがあります。異なるテロワールから、それぞれの特徴を持ったアロマの異なるワインを造ることができます。自社で栽培している葡萄はすべて自社のワインに使っています。「オーガニック栽培を行なっていることもあり、低収量なので、時にはもっと葡萄があったらいいのにと思うくらいです。そのため、他の生産者に売る葡萄はありません」。
収穫は若い葡萄の区画や特定の区画は手摘み、それ以外は、機械で行います。また、収穫した葡萄はすべて除梗(破砕はしない)します。葡萄は完熟の状態で収穫し、丁寧にセラーに運びます。集約のあるワインにするため、発酵には長い時間(4~5週間)をかけています。また発酵はすべて葡萄の果皮についている天然酵母で行います。赤ワインはすべてコンクリートタンクで発酵させてからプレスしています。発酵・熟成させる数ヶ月の間、それぞれのタンクの温度をチェックして、ワインの状態についてモニタリングしています。このように、醸造では出来る限り介入しないことによって、テロワールがしっかりと表現されると考えています。
フロントンの土壌は3段のテラスから構成されていますが、このワインの畑は2段目と3段目のテラスにあり、堆積土と砂利、小石、シルトの混ざるブルベーヌと呼ばれる土壌と礫質で構成されています。9月第3週に収穫します。果皮についている天然酵母を使い、開放式のコンクリートタンクで25~28度に管理しながら3~4週間発酵させます。その間、ピジャージュします。コンクリートタンクで18ヶ月熟成させます。清澄はせず、軽くろ過して瓶詰めします。スパイシーでエレガントなアロマがあります。口に含むと繊細なタンニンが感じられます。非常にバランスが良く、余韻にはペッパーや香り高いスミレの花のニュアンスが漂います。
この記事を書いている人
OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ
寺井 剛史(てらい つよし)
大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ