「サレント ビアンコ エレナ」の香りや味わいコメント

「サレント ビアンコ エレナ」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
ロッカ デイ モリ グリッロ40%、ビアンコ ダレッサーノ30%、シャルドネ30% 2020 イタリア プーリア
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
14 ¥2,100 稲葉 6/2/2024

「サレント ビアンコ エレナ」レビュー

ワインの外観

サレント ビアンコ エレナの外観

黄金色がかったレモンイエロー

ワインの香り

グラスを回す前:カリンのシロップ漬け、びわ、梅、木の葉

グラスを回した後:梅シロップ、びわの果皮、プラムジャム、ハチミツ、シナモン、ほうじ茶、カテキンっぽさ

ワインの味わい

やや厚みある食感、果実の凝縮感あるがドライでフルーツ風味は強くなく、それより果皮のようなタンニン、カテキンっぽさが強い、やや強めの酸、ナツメグやクローヴのようなほろ苦さ

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
変わっているワインで飲み手を選ぶがこの値段でこの酒質は安い!白だけど赤ワインのような飲み方がおすすめ
香りの第一印象にサルディーニャの酸化熟成したワインっぽさを感じる(特に記述なし)。味わいはドライでタンニンある。温度を上げて、料理も赤をイメージして合わせたい。
季節

グラス 温度 軽重度
(10段階)
大ぶりびわ 15-18℃ 8

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

イタリア歴史認定協会に認定されているワイナリー

ロッカ デイ モリは1870年に設立されました。実際に1870年に設立されたという記録が残されており、イタリア歴史認定協会(Unione Imprese storiche Italiane)によってその歴史が正式に認められています。イタリアのワイナリーの中でこのように正式な歴史認定を受けているのはロッカ デイ モリの他、数十軒の生産者にすぎません。現在は4代目のマルチェッロとマッシミリアーノ兄弟によって運営されている家族経営のワイナリーです。

ロッカ デイ モリでは、プーリアの土着品種(プリミティーヴォ、ネグロアマーロ、マルヴァジア ネーラなど)を主体にワイン造りを行っています。そして、それらの葡萄を「アルベレッロ プリエーゼ(Alberello Pugliese)」という伝統的な仕立て方法で栽培します。また、ロッカ デイ モリのワインは毎年造られているわけではありません。品質の良い年にだけ「ロッカ デイ モリ」として瓶詰めします。納得のいかない品質のヴィンテージは格下げをし、別のラベルでリリースします。

アルベレッロ プリエーゼの特徴

「アルベレッロ プリエーゼ」という仕立ての特徴は、葡萄の葉が生い茂っているため、葡萄の房に直射日光が当たるのを防いでくれるという点です。そのかわり、地面からの日光の反射によって、葡萄はゆっくりと成熟します。プーリアの日中は非常に気温が高いため、収穫は暑さを避けて夜間に行います。すべて手摘み、よい葡萄だけを選別しながら行います。アルベレッロ プリエーゼ仕立ての場合、収量は非常に低くなりますが、品質のよい葡萄を得ることが出来ます。一般的な仕立て(スパリエーラ、グイヨ等)の場合、1ha当たり15,000kgから20,000kgの収穫量のところ、アルベレッロ プリエーゼの場合は1haあたり、僅か5,000kg(通常の3分の1から4分の1)という低さです。また、アルベレッロ プリエーゼはワイン造りの面での重要性の他に、その希少性、葡萄畑の景観の美しさから、現在、ユネスコの世界遺産に申請されています。

伝統的な造り(発酵、熟成)

ロッカ デイ モリは流行を追うのではなく、伝統的なワイン造りを今も引き継いで行っています。「伝統的」とは、例えば、発酵を12,500Lのスラヴォニア産の大樽で行う点です。また、醸しは、通常ですと平均7日間で行いますが、ロッカ デイ モリでは30~45日間と非常に長く行っている点です。そして、熟成はバリックで6ヶ月~24ヶ月(ワインによって熟成期間は異なる)行います。その後、ブレンドして5,500Lの大樽でさらに数ヶ月寝かせ、ワインを落ち着かせます。ボトリングの際は、清澄せず、フィルターもかけません。つまり、ワインは限りなく自然な状態で瓶詰めされ、さらに最低でも6ヶ月瓶熟を行います。

ボトルでの長期熟成を想定した造り、コルクにもこだわる

ロッカ デイ モリではボトルでの長い熟成を想定しているため、最高品質のコルクを使用しています。このコルクは通常のものよりも5倍の値段がするものです。長期熟成が出来るワインであること、そして品質の高いコルクのおかげで、ロッカ デイ モリのセラーには1938年のワインが残っています。その他にも家族の生まれ年や記念の年のワインをセラーでキープしています。

良いワインを造ることも重要だが、人の記憶に残るワインが造りたい、と考えたことがきっかけで出来ました。グリッロは、マルサラに使う葡萄で、シチリアの地葡萄のように言われますが、元々はプーリアの品種です。マッシミリアーノの好きな品種です。畑は、石灰質で、いくつかの領域を除き殆どが岩で、石の層と白亜質の斜面で構成されています。仕立てはギヨー。春と夏は非常に乾燥しており、冬は穏やかです。収穫時の選別がとても大事です。全ての品種は一緒に(混醸)樽発酵、樽熟成させます。樽は、ヴェネト北部のコネリアーノの樽会社製の、スラヴォニア産のアカシアを使ったバリック(新樽、1回使用樽)です。12ヶ月樽熟成した後、ろ過せずすぐに瓶詰めします。アカシアの樽を使うのは、樽の香りが付き過ぎず、ソフトでエレガントなスタイルに仕上がるからです。緑がかった黄色。黄桃のシロップ漬け、バニラの香り。丸みのある果実感があり、レモンのようなしっかりとした酸、僅かにタンニンを感じます。「きれいな酸のニュアンスを出したいので、15~16度が一番いい温度。冷やし過ぎないことが大切」とマッシミリアーノは話していました。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ