「スパイス・ルート チャカラカ」の香りや味わいコメント

「スパイス・ルート チャカラカ」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
スパイス・ルート・ワイナリー カリニャン 25%、シラー 22%、マタロ 20%、デュリフ 16%、mグルナッシュ 14%、タナ 3% 2019 南アフリカ ウェスタンケープ
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
14 ¥4,300 モトックス 2023/12/6

「スパイス・ルート チャカラカ」レビュー

ワインの外観

スパイス・ルート チャカラカの外観

奥が透けないダークチェリーレッド、青が抜けている

ワインの香り

グラスを回す前:ダークチェリー、スミレ、艶やか、冷たい香り

グラスを回した後:一気に華やかに、赤い花のブーケ、赤い果実、森林、ルビーチョコ

ワインの味わい

豊かな食感、果実味豊かだがボテっとしていなく上品で洗練されている、しっかりめの酸、タンニン強いが丸みあり滑らか、赤い風味が口中に広がり、華やかなコーヒーのような風味も

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
南アなら4,000円台だが仏ローヌなら6,000円以上の味
南アフリカで4,000円以上となると躊躇するが、その価値のある1本、非常にバランスよく美味しい
季節

グラス 温度 軽重度
(10段階)
大ぶりびわ 18-22℃ 6

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

重鎮、チャールズ・バック氏の飽くなき探究心

スパイス・ルートは南アフリカ屈指の名門ワイナリーを確立させた重鎮、チャールズ・バック氏の飽くなき探究心が実現させた究極のブランドです。南アで長年に渡りワイン生産地域を制限していた法律が90年代年前半に緩和。これを機に、南アワイン産地のポテンシャルに早くから目を付けていたチャールズは、自身が相続したパールやステレンボッシュの畑には無い新しいスタイルのワイン“地中海性気候を豊かに表現する赤ワイン”を産み出すべく新たなチャレンジに挑みスパイスルートプロジェクトを始動させました。

銘醸地スワートランドの老舗ワイナリー

南アフリカ屈指のワイン産地として脚光を浴びるスワートランド。

アパルトヘイト政策がとられていた当時、このあたり一帯は穀物の農園が広がる農耕地でしたが、アパルトヘイト解体後、南アフリカで革新的なワイン造りを行っていたチャールス・バックの目に留まりフェアヴューグループの新事業として”スパイス・ルート・ワイナリー”が1997年に誕生しました。

チャールス・バック氏は自身が運営するパールにあるワイナリー”フェアヴュー”で、新しいブドウ品種の栽培や革新的なワイン造り、更には非白人労働者の自立支援を企業としていち早く取り組み、南アフリカでのワイン産業に大きな影響を与えて産業の礎を築いた立役者の一人でもあります。

代々バック家はパールやステレンボッシュの農園を運営していましたが、チャールスがオーナーとなってからは、これまで盛んにワイン造りが行われてこなかった未開の地に更なる可能性を求めました。

そして1997年に出会った地が、今日南アフリカにおいて最もエキサイトな栽培地区として知られるスワートランドでした。

ここには南アフリカに現存する最古のソーヴィニヨン・ブラン(1965年にされたブッシュヴァイン)の栽培が当時も続けられており、このブドウで仕込んだワインを飲んだチャールズ氏は一瞬でこの土地の虜になりました。そして、クレイン・アモスクイルと呼ば農園を購入、敷地内にあるタバコを乾燥さる為に使用されていた古い建物を再利用し醸造所を作りました。

プロジェクト立ち上げの最初の2年間は、今日世界的にも南アフリカで最も有名な醸造家の一人となった、イーベン・サディ氏(後に銘醸サディー・ファミリーを設立し、スワートランドを世界に知らしめたカリスマ)を起用、さまざまな試験栽培を行い試行錯誤を繰り返しました。

冬は寒く、夏は異常に乾燥して熱いスワートランドの変化の大きな気候に適したブドウを選び、更には灌漑せずにブッシュヴァイン(低樹のゴブレ式)で栽培できる土壌や区画を選んでいきました。

スワートランドが世界に誇るテロワールであると言われる所以は、その気候と土壌にあります。この類まれなる土壌「マームズベリ頁岩」と深く非常に古い「風化した花崗岩」は、全てに土地に存在するわけではないため、土壌分析をおこない慎重に栽培地区を選択しました。この結果、所有する土地の僅か1/4程に散りばめられた、切手のような形で不規則にブドウ畑が点在する形になりました。農園では全て手作業で栽培・収穫が行われています。

現在、シラー、ムールヴェードル、グルナッシュ、プティット・シラー、バルベーラ、タナ、サンジョヴェーゼ、ジンファンデル、ソウザオ、テンプラリーニョ、カリニャン、ヴィオニエ、シュナン・ブラン、ピノ・タージュが栽培されています。

また、2019年よりジョージアのクヴェヴリ(素焼きの壺)を購入し、20台のクヴェヴリを地中に埋め、クヴェヴリで仕込む特別なワインも生み出しています。

スワートランドの世界的な成功の裏には、実はスワートランドでのワイン造りの先駆者であるチャールズ・バック氏の存在があり、今日もスパイス・ルートブランドは、スワートランド最高峰のワイナリーの一つとして広く知られています。

黒系果実やクローブ、ナツメグなどスパイス感を持ち、程よい重さを持つ赤ワイン。熟したスパイシーなベリーやプラムのフレーバーと仄かなオーク香がバランスよく、長い余韻も魅力です。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ