「レ・カンペッテ・ウンブリア・ロッソ IGT 2020」の香りや味わいコメント

生産者 ぶどう品種 ヴィンテージ 生産国 地方
カンティーナ・ライナ SG70%,Mr15%,サグランティー 15% 2020 イタリア ウンブリア
Alc 参考価格(税別) 輸入元 試飲日
14 ¥3,500 アズマコーポレーション 2022/11/20

「レ・カンペッテ・ウンブリア・ロッソ IGT 2020」レビュー

ワインの外観

やや濃い目のダークチェリーレッド、青さがほぼ取れた状態

ワインの香り

グラスを回す前:乾燥果実、干し花、木の実、栗の渋皮

グラスを回した後:軽く干した赤や黒の果実、コリアンダー、干し肉やハードチーズ

ワインの味わい

力強さ、果実味はドライ、乾いたタンニンは非常に強く収斂性ある、酸やや強め、ダークチョコのようなコク、田舎を思わせる土のような風味が奥行を与え味わい深い

その他コメント

ソムリエ寺井
オーナーソムリエ寺井
非常にドライでタニックだがどこか人懐っこさある
タニックだが決して排他的でなく人懐っこさがある。味わい深く美味しい。

月額330円のエクセルには、「ワインの8段階評価」と「プライベートで買うかどうか(5段階)」も記載しています。詳しくはワインコメント一覧と会員についてへ。

「季節・温度・料理・好み・グラスについて」を読む

ワインを美味しく飲むための大きなポイントは、温度とグラスです。これらを変えるだけで全く味が変わります。私たちサービスマンはこの2つを工夫するだけでお客様に家で飲むよりも美味しいワインを提供できます。

そしてもう1つ、意外と季節でも味が全く違います。食材が変わるから?もちろんそれもありますが、料理ナシで飲んでも違うんです。温度や湿度など色々な影響を受けて味覚の体感が違うのでしょうね。

このワインコメント投稿で「合う料理」に言及することは稀(まれ)です。というのも、同じ料理名でもちょっとした味付けの違いで相性が変わり、情報として発信するには、ブレ幅が大きすぎると考えるからです。

さて、グラスについては私独自の「果実のびわ」などの言葉がでます。どんなグラスを指しているかや、飲食店や家庭で揃えるべきグラスについては今後、写真付きの記事にしたいと思っていますが、ひとまず「びわ」はいわゆるボルドー型のものと思っていただければ幸いでございます。

ワインコメント投稿のコンセプト

「同業の参考になるコメントをupしたい」という想いからです。

プロのワインコメントを知りたい時がありませんか?…でも、検索しても輸入元の説明をコピペした商品がHITし、私たち飲食業が参考にしたいプロのコメントを見つけるのは困難です。そこで自分でアップしようと思い、頑張ってアップしています。月額330円でこの情報をエクセルでまとめたものも入手いただけます。詳しくは下記をご覧ください。

ワインコメント一覧と会員について

輸入元情報

ワイナリー名のライナは最初にサグランティーノを植えた土地の前オーナーの愛称。この名前にしたのは土地と歴史を残すため。カンティーナ・ライナはウンブリア州にある「イタリアの最も美しい村」の一つとして知られるモンテファルコから東に約4kmの小さな集落の中にあります。設立は2002年。ファブリッツィオ・マリアニ氏が、古い農家の家屋と12haの土地を購入したことに始まります。標高は220m~300m。2002年から2008年にかけて葡萄を植樹。葡萄畑は10ha。赤ワインはコルドン、白ワインはグイヨに仕立てています。 現在のオーナーはファブリッツィオの息子で1978年生まれのフランチェスコ氏。彼は2002年にペルージャの大学で哲学を修め卒業した後に、料理人の道へ。ウンブリア州のレストランで修業を重ねた後、2005年には調理師免許を取得。約2年間、ミシュラン星付きのレストランで勤務。 そして2007年にワイナリーへ加わり畑仕事と醸造学び、現在に至るという変わった経歴の持ち主。現在は同じ歳で農業と醸造を勉強し、フランチェスコの考える自然な葡萄栽培と醸造、そして理想とするワインのスタイルに共感したアンドレア氏との2人が中心となりワイナリーを運営しています。 畑では原則としてビオディナミを実践。化学的な除草剤、殺虫剤などは一切使用していません。銅、硫黄に加えてイラクサ、トクサ、ビヨウヤナギなどを煎じたものを散布。その他、ビオィナミの調剤である500番と501番のプレパラシオンを使用。土地本来のエネルギーを正常化、そして活性化を行っています。収穫は全て手摘み。目指す醸造のスタイルは「自然で栽培され、土地の味が詰まった葡萄を、そのままワインに変えること」そのため、発酵は野生酵母を使用しSO2も必要最小限に抑えるようにしています。 ワイナリーでは自然と技術の融合。目標はテロワールを表現したワインを造ること、しかし自然なワイン造りをし過ぎて味が濁っていてはいけない。あくまでも果実は透明であること。味わいがあることはもちろん、葡萄の個性を楽しんで飲むことができるワイン造り。 熟しすぎている葡萄を使用しないこと。酸がしっかりとある健全な葡萄を収穫すること。そして、余計なタンニンを抽出しすぎないように、発酵期間は他の自然な造りをしている生産者と比べ比較的短いです。樽を使用する際には葡萄品種本来の個性を損なわないように古樽を使用。そして最後に自動ポンプシステム付きのスレンレスタンクやソフトプレス機などの必要な技術を取り入れること。また、ワイナリーの屋根にはソーラーパネルを敷き電機の一部を賄っています。また、セラーやタンクの洗浄には敷地内にある池の水を使用するなど環境にも配慮するようにしています。 セラーのある建物には、ワインと共に郷土料理も楽しむことができる予約制のレストランも併設。ここでは近隣のオーガニックやビオディナミを実践する農家の野菜や肉、そしてサラミや生ハム、さらには野生のハーブなどを提供するイベントも行われています。ワインと食材、そして食事。スローフード、スローワイン。ウンブリアの恵まれた自然を愛し、料理人としての経験も持つフランチェスコ氏ならではの考えが、そのままワイナリーとなっています。
3種類の葡萄品種の個性もあり、一体となっている不思議な赤ワイン

標高約230m。サンジョヴェーゼ、メルロー、サグランティーノは南東向きの区画に植えられています。手摘みで収穫後、ステンレスタンクで約20日間の発酵。野生酵母。発酵後はフレンチオークの大樽で12カ月間、その後ステンレスタンクで約6ヶ月の熟成。瓶詰め後、約8ヶ月間落ち着かせてからリリース。ノンフィルター。ブラックベリーの香りにブルーベリ、ラズベリーなどのベリー系の香りにハーブのニュアンス。柔らかな口あたりと心地の良い果実感。アフターにくる丸みのある細やかなタンニンがワイン全体を引き締めてくれます。落ち着いた味わいの印象を与えてくれる赤ワイン。サラミやお肉料理全般。羊と野菜の煮込みや、粒コショウと共に牛肉を煮込んだPeposo dell’Impruneta料理とも親しまれているそうです。

この記事を書いている人

OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ

 寺井 剛史(てらい つよし)

ソムリエ寺井剛史

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。

北九州「技の達人」認定者 / 福岡県知事表彰 受賞
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ