
2022年2月4日は結婚15周年でした。
結婚10周年の食事は以前のコンサル先だった日和庵だったので(参照「結婚10周年 デリソムブログ」)、次のキリ番の15周年は現在のコンサル先であるエタンセールカワモトにしました。
2月4日が蔓延防止法中だったので、それがあけて食事をしてきました。ちょっと前の話になりますが、その時のことをアップしたいと思います。
25年前から飲む機会を失っていたワイン
この日に飲みたいワインがありました。
話は約25年前の1996年に戻ります。
私は大学2年生、フランス料理店でアルバイトをしている20歳でした。
東広島市にはワインがそれなりにある酒屋が3つくらいあったように思います。
バイトのためにワインを勉強していた私はただただ酒屋でワインを1時間、2時間眺めているだけで面白かったものです。
モレッリーノ・ディ・スカンサーノ1987を東広島の住田屋でもらった
その中で西条インターに向かう国道沿いに「住田屋」という酒屋がありました。
ディスカウント酒店っぽい店だったのですが、当時ある程度のワイン陳列ボリュームがありました。
私から声をかけたのか、声をかけてもらったか覚えていませんが、その住田屋で店長さん?社長さん?らしき方と会話する機会がありました。
私がまだ澱があるようなワインを飲んだことがなかったので、

と質問しました。
するとその方は、当時すでに10年熟成品だった1987年のワインを手に取り、それを天井のライトにボトルを透かせ
「ここにカスが溜まっているでしょう?これが澱だよ」
とおっしゃいました。

正直、光にあてても澱っぽいものは私には見えなかったですが(笑)、
見えませんとは言う勇気がなく「ホントですね!」とちょっと話を合わせていました^^:
するとその方が「コレ、飲んでみて^^」とそのワインをくださいました!
それは、モレッリーノ・ディ・スカンサーノ1987

すごく嬉しかった覚えがあります。
すぐに澱があるワインをデキャンタージュしてみたいと思ったものの、どうにも飲むのがもったいなく、大学生でいる間にその機会は訪れないまま卒業することになりました。
ちなみに、モレッリーノ・ディ・スカンサーノは2006年にDOCGという格付けに認められていますが、当時は名前さえ知りませんでした。。
飲む機会を失っていたモレッリーノ・ディ・スカンサーノ1987
そのまま時は流れ、私はホテルに就職し、北九州に戻ってきてコンサルタントとして独立。
ワインセラーに入れたのは私の独立後なので、10年以上は常温で保存していたことになります(その酒屋さんでもワインセラーに入っていたわけでなかったように思います)。

とずっと心のどこかに引っかかっていたワイン。
家で飲むのも、もったいないし、他店にワインを持ち込むのも申し訳ない。
今回晴れて、自分が働いている店ならと持ち込んだわけです。
もちろん、結婚15周年に妻とこの思い出を共有して一緒に飲みたい(妻はこの話は知らない)、さらにエタンセールカワモトの部下やシェフたちと一緒にその思い出のワインを飲みたいという思いも強くありました。
エタンセールカワモトの料理とワインの相性
美味しそうな写真でしょ^^本当に美味しかったです。
さて、ワインはというと
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めちゃめちゃ素晴らしい状態でした!
1年目の若手料理人が「これ、どこで買えますか?いくらですか?」
と聞いてきたくらいです!!
当日のワイン一覧
モレッリーノ・ディ・スカンサーノのほかにもワインを用意していました。当日のワインは
- ボージョレVV(白)2004
- モレッリーノ・ディ・スカンサーノ1987
- シャトー・ダルマイヤック2004(ハーフ)
ちなみに、妻は「2004年って何の年だったっけ?」と思ったそうですが、特に意味はなく選びました・・・が、2004年は妻と出会った年です(笑)
妻にも「たまたまやけど、出会った年やね」と言いました^^;
ボージョレ白2004とモレッリーノ1987の魅力
さて、この中でめちゃめちゃ良かったのが、ボージョレ・ブラン2004とモレッリーノ・ディ・スカンサーノ1987です!!
ボージョレ・ブランは、ホールスタッフの部下も厨房のみんなも全員が美味しい!と。
で、ホンットにめちゃめちゃオマールと合いました。
どのくらい合ったのかと言うと・・・
部下が料理を下げようとテーブルに来たときに、私がまだ一口分くらい残っていて
「(まだ食べかけと思って)あっ、すみません」
と言う彼に、
「いや・・・コレ(下げて裏で)ちょっと食べて!で、このワインと合わせて!!」
と客である自分の料理を食べさせたくらい(笑)。
マジで合うので、この感動を妻と私だけでなく部下とも共有したかったのです。
彼も「すごい!めっちゃ合います!!」
と言っていました。
私も得意げに

と言ったものです。
そして、モレッリーノ・ディ・スカンサーノ1987。
飲む前に、さっきの大学時代の話を妻にします。
25年前の話を妻にして、一緒に飲めるのは嬉しいですが、この時点では妻にも

と言いながら、ワインを待っていました。
グラスに注がれた瞬間は、晩秋の香りが強く、どうかなと思ったのですが、味わってみると非常にエレガント!
香りもその後、バランスよくなりました。
何より料理と合う!!
肉料理2品のどちらとも、ダルマイヤック2004より、モレッリーノ・ディ・スカンサーノ1987のほうが合います!
やはり古酒と料理との相性は、うまくハマれば若いワイン以上の最上級の相性になり、本当に絶品です!!
不思議なもので、ワインの格でいうとダルマイヤックのほうがはるかに上なのですが、この日は本当にさっきの2本が素晴らしすぎました。
ワインって値段だけじゃないよねという話を、エタンセールカワモトの部下に話すことができたのも良かったです。
感謝
エタンセールカワモトのみんな、今回は本当にありがとうございました。
シェフも以前「ババを食べたい」と私が言ったのを覚えてくれていて、わざわざデザートを変更してくださり、嬉しかったです。
そして、妻はずっと変わった仕事をしている私についてきてくれて、感謝です。
そして、今回、感謝を伝えたいなぁって強く思っている方がいます・・・住田屋の私にワインをくださった方です。
今、住田屋のホームページを見ると、なんと7店舗を展開するお店になっているようです!
(たぶん)社長さんへ
その節は本当にありがとうございました。
澱も知らない大学生だった私は、ソムリエ資格、シニアソムリエ資格を取り、ソムリエ協会の山口支部の支部長を務めるまでになりました。
あの頃の私からすると、ソムリエ協会の支部長なんて一生かけてもなれないというか、そんな立場を考えることさえもなかったはずです。
いただいた、ワインは妻との大切な記念日にとっても美味しく飲み、仲間とも共有することができました。
また、いつかお店にうかがいたいと思いますし、何かの機会に一緒にお仕事ができたら素敵だなぁと思っています。
そんな日を楽しみにしています。
寺井 剛史
この記事を書いている人
OFFICE GO SEE代表 / プレゼントワインショップ®オーナーソムリエ
寺井 剛史(てらい つよし)

大学生のころのアルバイトがきっかけでソムリエを目指す。
ホテル入社後、『サービス、接客』の虜に。2004年、日本では珍しいフリーのソムリエとして独立。
多数の飲食・小売店でサービス向上による売上増のコンサルティング事例アリ。
「ワインを贈りたいけどワイン選びが分からない」方のために、プレゼントワインショップを設立。
技能グランプリ レストランサービス部門 全国3位
レストランサービス技能士1級
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ